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	<title>カイザース外伝</title>
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	<description>　　　　　　　　　惨藤 歪彌</description>
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		<title>序章</title>

		<description>　――――とある宇宙のとある衛星。
　其処…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 　――――とある宇宙のとある衛星。
　其処に佇む者がヒトリ、慟哭していた。
　曾ては、宇宙最強の絶対神率いる邪神集団“<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>”の最強格であり、全身に隈無く刀剣を携えた男、ヌギル・コーラスである。
　彼は今、高級な天然石から出来た自身の複数の刀剣を狙う宇宙海賊達に囲まれて、難なく返り討ちをしてやったところなのだが、地面に転がる幾百の死体を見遣り何とも言えぬ虚しさを覚えたのか、自分の果たすべき目的を邪魔するように次々と襲われている鬱陶しさに怒りを覚えたのか、はたまた、盟友を喪った哀しさを紛らわす為にか慟哭を続けていた。
　彼の目的とは――<ruby><rb>自身の相棒である鎖爆勇雅と再会する事</rb><rt>・・・・・・・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>であった。

　鎖爆勇雅を喪った時から、実際二十数年は経っている。
　“<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>”に所属していた頃、ある事件の末、相棒である鎖爆勇雅は仕えるべき主、絶対神アザトースに謀叛を起こし、結果、仲間達に追放され、次元の孔に飲み込まれ姿を消した。
　生きているのか死んでいるのかは結局不明瞭だが、絶対に勇雅は生きているとヌギルは信じ、その何処に在るかも解らない行方を只管に捜し続けている。
　邪神達にすれば二十数年という月日は一瞬の時の流れも同然だが、一度も眠らずに捜し続け、手掛かり一つも掴めないままに、この虚しい現状。
　ヌギルの精神は既に崩壊寸前だった。
　
　――――ダメだ。このままでは……。
　ヌギルもいよいよ危機感を覚えたのか、静かな場所で休眠しようという考えに至った。
　
　場所を移し、とある惑星へと降り立ったヌギル。
　降り立った空間には、四方八方、千里万里に花園が広がっていた。
　此処ならゆっくり休めそうだと、ヌギルは糸が切れたようにその場に倒れ込み、顔を花に埋もらせながら、そのまま泥のように眠った。
　――――そう言えば、勇雅も……こういう花を愛でていたよな……――――。

　――――ヌギル。
　勇雅……其処に居るのか…？
　――――皆を。
　聞こえねェよ。もう一度……。
　――――皆を頼んだぞ。
　何だって？ オイ、勇雅！ オレを置いていくな！ 勇雅――――

「――――！！」
　ヌギルは悪夢を視て魘されていたようで、ガバリと飛び起き、自身の汗塗れの顔を手で拭った。
　ゆっくりと眠っていた筈なのに、この仕打ちはヌギルとしても堪ったものではない。
　どれ位眠っていたのだろうか。
　落ち着きを取り戻したヌギルは、今の状況を整理しようとするが、不思議な事が起きていた。
　先ず、自身の体に黒い布…ブランケットのようなものが覆われている。
　それと景色。
　辺り一面花園……という事は変わらないが、平坦な地面で突っ伏して寝ていた筈が、今は斜面の様な寝心地の良さそうな場所に移動しているようだった。
　すると、横から声が聞こえてきた。
「ビヲちゃん！ お兄さん、起きたみたいだよ！」
　声の方向に振り向くも、姿が見えない。
　怪訝に思ったヌギルだが、その声の主が自分の居場所を答えてくれた。
「ココよ！ 下、下！」
　その場所には、ネズミ…いや、ハムスターという品種か。
　それが二匹、此方に対して声を掛けていたようだった。
　一匹は声の主で、その元気な声の通り、見た目も豪胆そうで割と肥えた体型をしている。
　もう一匹は、臆病そうで細身の体型をしており、ヌギルに怯えているのか、肥えた方の後ろにオズオズと隠れて様子を伺っている。
　色々と謎に思う部分は在るが、今の落ち着きを取り戻したヌギルは、冷静に事を見られている為、取り敢えずはこの二匹と会話をしてみる事にした。
「あら、アタシ達が声を発している事に驚かないのね？」
「まぁ…この宇宙、喋る動物なんて別に珍しくもねェからな……」
「ふふっ…そう！」
「こ、こむぎちゃ～ん……」
「おこめちゃん！ いつまで恐がってるの！ このお兄さんは見た目は恐そうだけど、きっと優しいヒトよ！ きっと……」
「失礼な事云ってねェかオメエ！？」
　この“おこめ”と“こむぎ”というハムスターがどういう性格をしているのかは今の会話で一通り解り、自分に対する警戒も在る程度は解けているようで、不思議と打ち解けられているヌギル。
　しかし、こんな小さな生物がオレを運び込む事が出来るのか、とヌギルは疑問に思う。
「不思議に思うでしょうけど、アナタをココに運んだのはアタシ達よ。けど、最初にアナタを見つけて介抱したのはあの娘！」
　こむぎがそう言うと同時に、少し離れた場所から、青い装飾で身を包んだ美女がピョンピョンと跳ねながら此方に向かってきた。
「良かった！ 無事に起きたんですね！」
「オマエは……？」
　蛸の足の様にうねった青く美しいウェーブヘアー、蒼い瞳に青いバラのネックレス。
　更に特質なのは、腰から下の部位が魚の様なヒレで出来ている。
　まさしく、“人魚”と呼ばれる種族の様だ。
　その美貌からして“人魚姫”と呼んだ方が相応しいだろう。
「オマエは人魚なのか？」
「はい！ あ、申し遅れました。私はビヲレルと申します！」
「ビヲレル……オマエが、オレを…？」
「そうです！ おこめとこむぎに運んでもらったんですが、アナタが随分魘されていたようで心配だったんですよ～」
「あ、さっき聞いてたでしょうけど、アタシがこむぎね！」
「お、おこめですぅ～……」
　おこめとこむぎはどうやら、ビヲレルのペットというよりかは家族みたいな存在の様だ。
　ビヲレルが懐から出した餌をバクバク食べ始めたこむぎと、チビチビと食べ始めたおこめ。
　見た目の通り、性格が真反対に違うらしいが、二匹とビヲレルは仲がとても良さそうだ。
　今の今迄荒み切っていたヌギルの心は、その微笑ましい光景を見て、自覚せずとも自然と癒され始めていた。
　それはそれとして、仕様も無い事だろうが、ヌギルは彼女らに対して言いたい事が在った。
「……つーか、何だその名前。炭水化物が好きなのか？」
「可愛い名前でしょう？」
　おこめとこむぎの名前に対して、一応ツッコミを入れてみるも、ビヲレルの天然らしい返しを聞いて、それ以上深く訊いても無意味だとヌギルは悟った。
「……オレ、魘されていたのか……悪い、迷惑を掛けたな」
「とんでもない！ 具合が悪そうなヒトを放っておく事なんて出来る訳ないですよ！」
「あぁ…有難うよ、オマエ等」
　ヌギルの心からの感謝の言葉を聞いて、ビヲレルも、餌を一生懸命に食べ進めていたおこめとこむぎもご満悦の様で、総員ニッコリした表情をしている。
「どういたしまして！ それと、アナタのお名前を教えてもらっても良いですか…？」
「オレは……オレは、ヌギル・コーラスだ」
　彼女達には悪いが、すぐに別れる事になる自分の名など名乗っても意味が無い事だろうと思っていたヌギルだったが、此方から願ってなどいないにしろ、見ず知らずの魘されていた自分を介抱してくれたこの善者達に対して、最低限の礼儀はしておこうと考え直し、名を名乗る事にした。
　――――“礼儀”……か。
　――――そういうのも、アイツからよく教わったよな……――――。
「ヌギルさん！ ありがとうございます……私達を信頼して名乗ってくれて。 やっぱり、アナタは善いヒトですね」
　名前を教えるなんて当たり前の事に対して、信頼をしたからとかそういう考えに至っている時点で、彼女らの方が余程“善”だろうとヌギルは困惑しながらも感心する。
「ビヲちゃんは美人だから、<ruby><rb>悪い虫</rb><rt>オトコ</rt></ruby>に言い寄られる事が多いのよ～。下心丸出しでね」
「ビヲちゃん……お姫様みたいだもん……」
「そ、そんな事ないよ～！」
　茶番を見せられてんのか？、と、ヌギルは勝手にノロケ始めた彼女らを見て呆れているも、当然、そんな事は口には出さない。
「で、でも…ヌギルさんは大丈夫そう……多分……」
「そう！ ヌギルさんが悪いヒトだったら、そのブランケットは掛けられなかったよ！」
　ブランケット……そう言えば、自分が眠っている間、コレに包まれていたようだが……。
　そうヌギルは思い出す。
「そのブランケット、とってもあたたかいでしょう！」
「ブランケット…と言うより、コレは<ruby><rb>旗</rb><rt>・</rt></ruby>じゃあねェのか？」
　ヌギルの言う通り、コレは正真正銘、<ruby><rb>旗</rb><rt>・</rt></ruby>である。
　広げて見てみると、黒地の布に何やら文字と絵が描かれている。
　剣を携えた悪魔の様な、怪獣の様な絵の下には『<ruby><rb>Kaisers</rb><rt>・・・・・・・</rt></ruby>』という文字が。
　ヌギルはこの絵と文字の意味を考えてみるも、一向に解らないし、別に知ったところでどうでも良い事だろうと深くは考えなかった。
「でも、おかしいのが、そんなモノをいつ手に入れていたのかが解らないんですよね……」
「なんだそりゃア……」
　どうやら、ビヲレル自身もこの旗が何なのか知らないらしい。
　ヌギルのリアクションも当然である。
「でもですね！？ この旗に包まれると、何だか不思議な力に護られているような気分になるんです！」
「確かに、ソレを悪い奴等にバサって見せると、何故だか皆早々に逃げていくのよね……」
　こむぎが補足をしてくれたので、ヌギルもその原因というのを突き詰めようとする。
　すると、ある一つの事が解った。
「この旗……魔除けの魔法が掛けられているようだぜ」
「そうなんですか？」
「ヌギルさん、そんな事が解るなんてスゴいですぅ～……」
　おこめがヌギルを褒めるも、何故、この旗にそんな魔法が掛けられているのか謎は深まるばかりだ。
　だが、ヌギルには<ruby><rb>達成すべき目的</rb><rt>・・・・・・・</rt></ruby>が在り、そんな事を追求している暇など無い。
　ビヲレル達には悪いが、一刻も早くこの場を去り、本来の目的を遂行したいところだ。
「さて……邪魔したな」
「ヌギルさん、もう行っちゃうんですか……？」
「もうちょっとゆっくりしていけば良いのに」
「あぁ……オレにもやらなけりゃあいけない事が在るんでな」
　残念そうな顔をしている一人と二匹。
　そんな顔をしたところで、オレは――――。

ドスッ

　ヌギルは立ち上がって去ろうとした筈が、何故かその場で再び倒れていた。
「ヌギルさん？！」
「まだどこか悪いんじゃあ……！？」
　――――いや、そうじゃあないな。
　――――これは……。

「……オイ」
「！」
「……何か、喰い物を持っていねェか……？」

　ヌギルは只、空腹で力が出なかっただけだった。
　二十数年、ロクに何も口に含んでいなかったから当然だ。
　久々に平穏な環境に身を置いた事で、気と胃袋が緩んだのだろう。
　――――もう少し……世話になるか。

　そんなヌギルが可笑しくて、ビヲレル達は暫く笑い続けた。



　――――しかし、このビヲレル達との出逢いが、自身を最悪の戦いへと導く出来事になるとは、ヌギルは未だ知る由も無い。
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		<dc:date>2022-08-27T23:11:02+09:00</dc:date>
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		<title>三章 - 壱</title>

		<description>
「は～♥　キモチイイ～～～～♥」
「え…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
「は～♥　キモチイイ～～～～♥」
「えぇ……そうですね……」

　惑星ヌガッキワーが誇る最上級の宿、最上階の部屋に備える露天風呂に浸かる、美麗な二つの影が艶やかな声を夜空に響かせる。
　この大きな宿の“ロイヤルスペシャルエキシビシャル特選極閃温泉”コースを堪能するという本来の目的を達成出来たアブホースとしては願ってもない事であったが、隣ではしゃぐこのアズルという人間のお陰でこの状況に身を置けている事に複雑な思いがあった。
　それはそれとして感謝は勿論しているのだが、アブホースには解決しておかなければならぬ問題が別に複数在る。
　その問題が残ったまま極上な一時を過ごしているという現状に、アブホースは素直に喜べずに居た。
　（――――“シェデンの果実”を狙う者達が他にも居たとは……このアズルという人間が鍵を握ると彼等は云っていましたが……いずれにしろ、暫く気を張っておかなければ――――）
「ひあっ！？」
　極上の湯に浸かりながら思考を張り巡らせていた為か、自身の背後から忍び寄る手にアブホースは気付かなかった。
　その白く美しい肌に、別の細く綺麗な指が触れる。
　アブホースは唐突な不意打ちに、普段は出した事のない嬌声を挙げる。
「アブホース～？　そんなに難しそうな顔しちゃってさぁ～。折角のお風呂が台無しだよ？」
「き、急に触れないで下さい……！」
「フフッ♪　だって、アブホースの肌って凄く綺麗だから触りたくなっちゃうんだも～ん」
「油断も隙も在りませんね……」
　アブホースの抱える問題の渦中に居るアズルなのだが、険しい顔をしながら入浴するアブホースを見兼ねてか、突如としてセクハラ紛いな事をしでかした。
「後で話は聞くからさ……今はこの時を純粋に楽しもうよ！」
「！　……えぇ。そうですね。失礼致しました」
　このスキンシップはアズルなりの気遣いなのだった。
　アブホースの凝り固まった思考と緊張を解す為、そして何より、悩んでいるアブホースの事を放ってはおけないアズルの優しさの表れである。
　アブホースも、アズルの優しさを無下には出来ず、素直にこの状況を楽しむ事にした。

「それにしても、本当に良い景色だねぇ……」
「えぇ。惑星ヌガッキワーがこれ程自然豊かな星だったとは……」
「この星ってね？　昔“英雄”が開拓した星なんだって！」
「“英雄”…？」
「そう！　“アレ”を見て！」
　アズルが指差す方向には、この宿と同等の巨木がそびえ立ち、その頂上には龍が渦巻いている様な巨大な像が設置されていた。
「龍の像……？」
「カッコイイよね！ 温泉街は後から発展したものらしいけど、きっとこの豊かな自然が有ったからこそだよね。それを開拓したあの龍神が、この星に棲む皆から尊敬されて祀られているんだって！」
「成程……」
　龍神……龍の力を司る神格は限られているが、アブホースが思い浮かべるのは、いずれにしろ碌でもない奴等ばかり。
　同じ“<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>”の一角、バロールの眷属である朏龍神クロウ・クルワッハ……。
　“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”最凶の邪神、獄龍神ワムラヴィヲン……。
　そして、<ruby><rb>自らの力の根源を持つ</rb><rt・・・・・・・・・・></rt></ruby>、全能神ザッハーク……。
　列挙した彼等は、善意の欠片も持たぬモノ達であり、尚更、星の開拓などに無縁の存在であるとアブホースは思う。
　只、唯一、もう<ruby><rb>一体</rb><rt>ひとり</rt></ruby>、その可能性が有る存在を挙げるとするならば――――。
「……ウチもね？ 龍の神様に逢った事があるんだ」
「え……？」
　アブホースが憎たらしい邪神達の顔を思い浮かべている間、アズルも又、自らのかけがえのない存在を思い出していた。
「ウチは、物心ついた辺りから親が死んじゃっていてね。幼い頃から行く宛もなく、ずっと独りだったんだ。でも、ある日、身寄りのないウチを引き取ってくれたヒト達が居たの」
「それが…貴方の云う“龍神”…？」
「そう！　偶然出逢っただけなのにね……とっても優しいヒト達だった」
　アズルは嬉々として、命の<ruby><rb>恩神</rb><rt>おんじん</rt></ruby>であるその龍神の事、そして連れ添っていた女性の事について語り始めた。
　アブホースとしては、出逢った事のない存在の筈だが、アズルの話を聞く限りでも、その者達の慈しみと優しさが窺える。
　思い出を幸せそうに話すアズルの表情を見ても尚更だ。
「……フッ」
「えっ、どしたのアブホース？？」
「いえ……貴方はその方達の事を本当に好いているのですね」
「そ、そりゃあもちろん！　ウチの事を救ってくれたヒトだからね！　まぁでも…それとは別に……そのフタリはウチの初恋だもん……」
「……？　<ruby><rb>フタリ共</rb><rt>・・・・</rt></ruby>……？」
「ウチの恋愛対象は<ruby><rb>どっちも</rb><rt>・・・・</rt></ruby>なの！　カッコイイ方も可愛い方も綺麗な方も大好き！！」
「（……そういうものなのでしょうか……？）」
　アブホースはそういった恋愛事にかなり疎く、自らもその感情を抱いた事が無い故か、人間が持つ“愛情”が如何なものなのか見当もついていない。
　アズル自身は性別を持たぬ為、中でも少数派な嗜好を備えている事も相俟って、アブホースは更に混乱する。
「……今、どうしてるのかな……ミヤラさん達……」
　何処かで聞いた名前だとアブホースは思うが、今その事は重要では無いと敢えて口には出さなかった。

　「と・こ・ろ・で！」
　「……！」
　思い出に耽っていたアズルだったが、突然此方を向き直し、キラキラとした眼差しで云うものだから、嫌な予感がしアブホースは身構える。
「アブホースには！　そういうヒトっていないの？！」
　やはりか……と、アズルの問いにアブホースは面倒そうに答える。
「“恋”……というモノに関してでしょうか。生憎、私はそういった感情は持ち合わせていません。貴方が抱いた“愛情”というモノに関しても全く理解が出来ませんね」
「ブー！　つまんないの！　可愛い顔してるくせにさー！」
「…………」
　俗的な話だと思いつつ、律儀に答えるアブホース。
　それに対し、望む答えは返って来ないと思うも、アズルは懲りず聞き続けた。
「じゃあさ……気になるヒトくらいはいるんじゃない？」
「気になる……ヒト……」
　この質問は、アブホースにとって満更ではなかった。
「い、いるの……？！」
　勿論、アブホースの事だから、恋愛的な要素は無いだろうとアズルは理解している。
　しかし、感情を持たぬと自ら云う、容易に心を開かなそうなアブホースがそういう存在が居るとほのめかしている事が驚きだ。
　アズルからしたら、掘り出さない訳にはいかない話題であった。

「……私が所属している組織に、新たに入属した男が居るのですが…何と云いますか……不思議な思想を持っている方でして……」
「ふんふん……」
　アブホースは、“気になるヒト”として、数ヶ月前に“<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>”に入属した“黒尽くめの大剣使い”の事を思い浮かべながら話し続けた。
　その彼は、絶対神に命からがらのところを拾われ入属した直後、“<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>”最強格のヌギル・コーラスと<ruby><rb>一対一</rb><rt>タイマン</rt></ruby>を果たし引き分ける程の強さを魅せつけ（勿論、先に闘いを吹っ掛けたのはヌギルだが）、自らの持つ信条と正義を皆に説いた。
　戦いに於いて強く聡い面も見せれば、一方で、趣味としてアニメや漫画、ゲームの事で語ってきたり、自室や他の星で植物を育てる等の優しさまでも覗かせる彼の在り方に対し、賛同するモノは初めこそ少なかったが、月日が経って関わっていく内に惹かれていくモノも居た。
　ヌギルやウォータース、ルリム・シャイコース、ハスターにナイアーラトテップ、アトラック・ナチャ……“<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>”+αの猛者の面々も、今では彼の持ち込んだ娯楽などで遊んだりする仲にまでなっていた。
　そんな現状を、淡々としながらも、心なしか嬉しそうに語っているアブホースの話を、アズルも茶化す事なく聞き入る。
「彼が来る迄は、仲間同士、任務でペアを組む事は有っても、お互いに干渉する事は滅多に在りませんでした。いえ……その頃は皆、<ruby><rb>他</rb><rt>た</rt></ruby>を仲間とすらも思っていなかったのやも知れません。しかし、彼が来てからの今は、彼を中心にして笑い合えているのを見ます。表情や感情に乏しい私には、あまり解らないですが……それが、以前よりずっと、“良い事”に思えます」
「あ、アブホースがそこまで言うなんて……話を聞く限り、そのヒト……なんか“完璧”って感じだね……」

　――――“完璧”。
　アズルが指すその彼自身がその言葉を聞いたなら、感謝こそすれ、心中は良い気分ではないだろう。
　自身よりも“完璧”と呼ばれるべき存在を、彼はよく知っているのだから。
　只、それは又、別の話だ――――。

「聞く分には完璧に思えるでしょうが、実際は彼にも弱点が山程在ります。滑り気の在る生物や食物が苦手でしたり、数字の計算が遅い、ゲーム好きの割に対戦ゲームには弱い、何かしら遅刻が多い……。目付きが悪いから私達以外には恐がられる事も気にしていましたね。それと、蝉も苦手で、この間は突如動いた事に驚いてその場で盛大にスッ転んで――――。」
「も、もう止してあげて！ なんか、可哀想……」
　自分の与り知らぬ所で欠点を<ruby><rb>連々</rb><rt>つらづら</rt></ruby>と話されるのは、とても惨めな事である。
「でも、数ヶ月前に遭ったばかりなのに、そのヒトの事をよく知っているんだね～。アブホース～～、やっぱりそのヒトの事……」
　これ以上を言ったら怒られるだろうなと思うアズルではあったが、アブホースからは意外な答えが返ってきた。
「……実際、彼が来てからは、私の日常もほんの少し色味を帯びてきた気がしています。目付役として彼と接する機会は多いですが……彼の在り方を見ていると、私も色々と教われる事が在ります。未だ私には解り切れていない感覚ですが……そうですね。私は彼に、“興味”を……そして、“尊敬”の念を抱いているのでしょう」
「……！」
　長時間、湯に浸かっている所為なのかは解らないが、アブホースの顔に少し赤味があるのをアズルは見逃さなかった。

　なんだ……アブホースだってちゃんと――――。

　あらゆる感情が解らないと自負するアブホースだが、その言葉の節々には確りと感情が込もっているのだとアズルは感じ取った。
　アブホースが話題の彼に抱いている“感情”は、アブホースの言葉通りなのか。
　はたまた、それとは違う“感情”なのか。
　勿論、アズル然り、アブホース自身もその“感情”の正体を未だ知らない――――。

「～～～～ッッ！！ アブホース～～～～！！ かわいい～～～～♥♥♥♥」
「……！！？？ な、何ですか急に……？！ 抱き着かないで下さい……！」
　そんなアブホースが愛おしく、堪らずアブホースを抱き締めるアズルであった。

　――――――――――――――――――――――――――――――――

　刻を同じくして、地球――――。
　アブホース達の居る惑星ヌガッキワーより大分離れた位置に在る太陽系惑星だ。
　その地球には、“<ruby><rb>穹涯町</rb><rt>そらはてちょう</rt></ruby>”という中規模の街が存在する。
　その穹涯町のとある喫茶で、とある美女達が待ち合わせをしていた。

「いらっしゃいませ！」
「済みません、待ち合わせをしているんですが……」
「あ、お連れ様は奥のお席でお待ちです」
「ありがとう！」
　特筆した点は無い、只のありふれたオシャレな喫茶に、見るもの全てを魅了するような絶世の美女が入店した。
　華麗にスーツを着こなしているスベスベの褐色の肌を纏った女性が、サラリとした美しい長髪を靡かせながら店内の奥へと歩いていく様を、店員も客も、老若男女問わず、口をあんぐりさせながら目で追っている。
　その女性は、街界隈では有名な存在だが、改めて間近で見るとこれ程美しいのか、と周りの人達は顔を赤らめながら驚嘆する。
　因みに、この光景は、その日“二度目”である。
　つい先刻も、奥の席でその女性を待っている別の女性に対して、皆同じ反応を示していたのだ。
「お待たせ」
「お疲れ様、ヨランダ。全然待っていないよ」
　これまた艶やかな紫色の髪と美貌を備え持つ女性が、今し方来たヨランダという者を労う。
「今はテスト期間だから、比較的早く仕事が片付くから助かるわ」
「やっぱり大変なのね、先生って」
　どうやら、ヨランダは教師の立場らしい。
　ヨランダは、十数年もその仕事に就いているが、教師間、生徒間、生徒父兄問わず人望が厚く、日々頼られている存在である。
　その分、疲れはどっと溜まる時が在るが、教師冥利に尽きる事だと、この仕事に誇りを持ったまま続けている。
「ヨランダ先生、モテるでしょうね」
「主に、男子生徒ね」
「……思春期男子に、ヨランダという存在は刺激が強過ぎるよ……」
　偏見も少しばかり含んでいるだろうが、男子学生など色欲猿も同然である。
　そういった奴等に美人教師という“餌”を与えればどうなるのかは、想像に難くない。
　注文していたドリンクが届き、渇いた喉を潤わしながらヨランダ達は世間話を続けた。

「そう言えば、私も結構遭う頻度は多いけど、<ruby><rb>輝砂羅</rb><rt>きさら</rt></ruby>は最近どうなの？ また告白されたらしいじゃない」
「輝砂羅は相変わらずよ。どんなイケメンでも、断り続けているから……贅沢ね」
「貴方も妹の事、言えないんじゃない？」
「……そうかも」
　<ruby><rb>輝砂羅</rb><rt>きさら</rt></ruby>は、この紫髪の女性の実妹。
　姉の美貌に引けを取らず、文武両道で誰に対しても明るく優しく接する性格も相俟って、在学中も、成人した今でも男性からの告白が絶えない。
　しかし、どんなに相手が裕福でも、顔立ちが良くても、数多の男性達の希望を悉く潰し続けているというのだ。
　その理由は、“ある事”が尾を引いている為だ。
「やっぱり……“あの子”の事が忘れられないのかしら」
「……そうだね……。輝砂羅が直接言った訳じゃないけど……きっと……」
　輝砂羅には、姉やヨランダ以外にも、幼い頃からずっと一緒に生きてきた存在が居た。
　彼女にとって、その存在はあまりにも大きく、尊く、欠け替えの無いものであった。
　――――しかし、今やその存在は、<ruby><rb>此処に無い</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>。

　――――数年前、平和であった筈の穹涯町で、とある事件が起こった。
　突如として現れた、<ruby><rb>銀と赤と黒の模様</rb><rt>・・・・・・・・</rt></ruby>に、<ruby><rb>胸に紫色のコア</rb><rt>・・・・・・・</rt></ruby>の様なモノを備え持つ、宛ら悪魔の様な風貌の宇宙人による襲撃を受けたのだ。
　その襲撃に対し、建造物の倒壊こそ僅少の被害に押さえ込めたが、その街に棲む者達の心に大きな傷を残す事となる。
　――――死者、二名。
　街の人々から多くの信頼を寄せられ、近く、嫁の出産を心待ちにしていた青年一名。
　そして、輝砂羅にとって大切な存在であった……少年一名が犠牲となった。

　この事件の直前、輝砂羅とその少年は、お互いを想う心のすれ違いによる喧嘩別れをしていた。
　後日謝って想いを伝えようとしていた存在がそのまま亡きものとなった時の彼女の心中はとても計り知れない。
　その事も在り、輝砂羅は他の男の事など気にする余地も無いのだ。
「……あの時、私がもっと早く駆け付けていれば……」
　ヨランダは、その時の事を未だ大いに悔やんでいた。
　彼女は“特殊な血筋”の為、武闘派ではないにしろ、多少腕の覚えは在る。
　実際、フタリが殺された後に駆け付け、交戦しても圧倒的な力に為す術は無かったのだが、それでも、早く駆け付けられたなら、フタリは殺されていなかったやも知れない。
　ヨランダにとっても、殺害されてしまった少年は、血の繋がりは無いとは言え、自らの息子であった存在。
　やはり、心中は察せれど、彼女の後悔の念は計り知れぬものであろう。
「……それは私も一緒だよ。ヨランダだけが悔やむ事は無いわ。」
「……御免なさい。貴方も辛い経験をしたものね」
　ヨランダの対面に座るこの女性も、件の事に加え、また別の件で大切な存在を亡くしている。
「……<ruby><rb>リュウト</rb><rt>・・・・</rt></ruby>の事は何か解りそうなの……？」
「いえ……キュクロープス達にも聞いているけど、やっぱり何も……」
「……キュクロープスの“蘇逝剣”を使っても蘇らせられないのは何故かしら……」
「……もう、この話は止めましょ！ チョコレートフラッペおかわり！」
「えぇ……フフッ、私もそれ頼もっ！」
　別に暗い話などだけしに来たのではないのだからと、フタリは気分を一新して別の話題に変え、他愛も無い会話を続ける事にした。
　この転換は、生きる上でとても大切な事である。

「――――今日は楽しかった！ またヨランダの休みに合わせて遭いましょう」
「まぁ、家も近いんだし、いつでも遭えるでしょ。 今日はありがとう！ またね――――<ruby><rb>魅夜羅</rb><rt>みやら</rt></ruby>」



　――――先刻の穹涯町の事件の話には、公にされていない部分が在る。
　――――死者は青年と少年の二名。
　――――しかし、<ruby><rb>少年の方の遺体は見付かっていない</rb><rt>・・・・・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>。
　――――その少年は悪魔に胸を貫かれ、絶命した。
　――――その光景を目撃したものは複数名居たのにも関わらず。

　――――そして、その悪魔を撃退した存在も居た事を知る者も少ない。
　――――その姿を目撃したヨランダ達曰く――――。
　――――<ruby><rb>黒い大剣を携えた</rb><rt>・・・・・・・・</rt></ruby>“<ruby><rb>闇</rb><rt>・</rt></ruby>”<ruby><rb>其の物</rb><rt>・・・</rt></ruby>であった、と――――。

 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2022-02-09T22:00:50+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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	<item rdf:about="https://yugami-s.novel.wox.cc/entry8.html">
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		<title>三頁</title>

		<description>
★“殲呪工・九怨剣”

『カイザース』の…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
<span style="font-weight:bold;">★“殲呪工・九怨剣”</span>

『カイザース』の世界では、ウルカヌスやキュクロープス等の刀匠が沢山居ます。
鎖爆勇雅もそのヒトリです。
そんな彼等、鍛冶<ruby><rb>職神</rb><rt>しょくにん</rt></ruby>達は、途轍も無い力を秘める九つの刀剣を<ruby><rb></rb>創造<rt>つく</rt></ruby>り出してしまいました。
それが、“殲呪工・九怨剣”です。
どれも反則級の能力ですが、当然、所有者も一定の実力者でないと扱い切れません。
因みに、九怨剣はそれぞれに意思が存在します。
信頼関係を築かなければ、後述の“KATANA”の様に所有者に牙を剥く事が在ります。

以下、九怨剣の一覧と所有者、能力と対処法について記載します。


1.“NED【ネバー・エンディング・ダークネス】”
所有者:ワムラヴィヲン（ワームロード＝ラヴィヲン）
能力:『存在する限り、永劫に“闇”を創り出す』

対処法……無し。“NED”の本体＝ワムラヴィヲンなので、彼を斃せる力が無ければ無理。


2.“イモータルソード”
所有者:ウルカヌス・シェードレイ
能力:『所有者を不死身にさせる。且つ、所有者本来の力を刀身に封じる事が出来る。
　　　 (刀身が折れている時のみリミッターを外せる)』

対処法……“イモータルソード”を折ってすぐさまに一撃必殺を叩き込む。
　　　　　　　この一撃が極まらなければ、“ウルカヌス本来の力”のリミッターが解除されてしまう為、
　　　　　　　実質、対処不能になってしまう


3.“天地星”
所有者:ギレエブ＝ミラ
能力:『鋒から刺した対象の傷を治してダメージを吸い取り、
　　　　そのダメージ分の倍相当の攻撃を繰り出せる』

対処法……ミラ自身を戦闘不能にさせない限り、自己回復をし続けてしまうので、
　　　　　　　やはり一撃必殺を叩き込まなければならない。
　　　　　　　但し、ミラは剣術の達神でも在るので、そう上手くは運べない。
　 　　　　 　彼を叩き伏せられる実力が在るなら、最初から苦労はしない。


4.“KATANA”
所有者:キャリバン
能力:『防御無視の斬撃。所有者のカラダと意識を乗っ取る。』

対処法……斬撃を喰らわぬ様に避け切るか、捨て身覚悟で特攻するか。
　　　　　　　乗っ取られた対象が逃れる術は、“KATANA”毎 斃されるしかない。


5.“蘇逝剣”
所有者:キュクロープス
能力:『斬った対象を自由に【地界】以外の“五煉界”へ葬れ、
　　　　“五煉界”から【地界】へと蘇らせる事が出来る。
　　　　又、所有者自体も、自由に“五煉界”を往き来する事が出来る』

※“五煉界”……『カイザース』作中世界で【天界(俗に云う天国)・地界(俗に云う現世)・冥界・地獄・奈落】が存在し、ソレを総称した呼び方。死者達は、生時の業の度合いにより、【地界】以外の煉界へそれぞれ葬られる。

※制限
◎死者を【地界】へ蘇らせる場合……
【天界・冥界・地獄】へ其々葬られたモノ達は、統一回数で合計“四回”蘇らせる事が出来る。以降は蘇る事が出来なくなる。
尚、一回の蘇生につき“一日間”の制限時間が設けられる。
又、【地界】で無数の業を背負い【奈落】へ葬られたモノ達は、“蘇逝剣”では決して蘇らせる事は出来ない。【奈落】から蘇る方法としては、『自力で這い上がる』か『特殊な儀式で蘇らせるか』である。

◎【地界】に居る生者を他の“五煉界”へ葬る場合……
此方も同様に、制限時間と制限回数が存在する。
制限回数は、前述の“四回”分の蘇生可能回数と共通してカウントされる。

対処法……無し(対処云々では片付けられない話の為、論外とする)


6.“轟呪眼”
所有者:呪麟
能力:『柄部分に複数の眼が付いており、
　　　　その眼に視詰められた対象は、動く度にダメージを喰らう』

対処法……無し。
　　　　　　　遠距離攻撃をするにしても、手足を動かしただけでもダメージを喰らう為、
　　　　　　　結局は避け切れない。
　　　　　　　やはり、捨て身覚悟の特攻が得策。


7.“鐚幻夢”
所有者:蛇忌千檻
能力:『刺した対象に悪夢を視せ、精神を崩壊させる。
　　　　且つ、悪夢を視せている対象を自由に操る事が出来る。』

対処法……刺されなければ良い。
　　　　　　　万一、悪夢から逃れたい時は、
　　　　　　　自身が想う“大切なヒト”の力を借りなければならない。


8.“ダイヤモンドレイク”
所有者:ヌギル・コーラス
能力:『何かを斬る度に斬れ味・攻撃力が増す。且つ、光線や属性攻撃を反射出来る。』

対処法……肉弾戦に持ち込む。
　　　　　　　但し、ヌギル自身が作中最強クラスの実力を持っている為、実質無理。
　　　　　　　ヌギル自身を弱体化出来る術が在るなら、或いは……。


9.“闇極煌雲神剣”（“黒雲牙”の最終形態）
所有者:鎖爆勇雅
能力:『斬った対象の得意とする技を、所有者が使用出来る様にコピーする。
　　　　斬撃の範囲・軌道を自在に操る事が出来る。
　　　　（もう一つ、“ある特殊な能力”を備えているが、詳細は不明。）』

対処法……斬られなければコピーはされない(筈である)。
　　　　　　　斬撃は逐一視極めるしか方法無い。
　　　　　　　但し、“もう一つの特殊能力”が発動されると更に厄介となる為、
　　　　　　　コレと相対する時はかなりの覚悟が必要。


※以下、ネタバレ含む為、反転非推奨

<span style="font-weight:bold;"><span style="color:#000000;">※“闇極煌雲神剣”＝“黒雲牙”の隠された能力
先述した通り、『九怨剣』にはそれぞれ意思が在ります。
“黒雲牙”と所有者である鎖爆勇雅は、どんな時も常に一緒に生きて、共に戦い続けてきました。
“黒雲牙”自身も勇雅、もしくは、彼が認めた信頼出来る者以外には従いません。

この特殊能力が発動する条件は、<ruby><rb>勇雅が殺されかけて瀕死状態</rb><rt>・・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>の時です。
勇雅の命が途絶える瀬戸際……生死の境を彷徨っているその時、“黒雲牙”は動きます。
その文字通り、<ruby><rb>動きます</rb><rt>・・・・</rt></ruby>。詰まり、<ruby><rb>独りでに</rb><rt>・・・・</rt></ruby>。

そうです。“黒雲牙”が存在する限り、勇雅は死にません。
“イモータルソード”の様に不死身にする訳ではありませんが、これからも勇雅と一緒に生き続ける為に、“黒雲牙”は彼を護り続けるのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<ruby><rb>永劫に</rb><rt>・・・</rt></ruby>――――――。</del></del></del>
</span></span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-06-16T23:49:10+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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		<title>二章 - 弐</title>

		<description>
　アブホースが惑星ヌガッキワーへ降り…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
　アブホースが惑星ヌガッキワーへ降り立つ少し前、超神星ゾスでは、ソトースがバロールとウォータースに“シェデンの果実”の秘密を伝えた後、アブホースの休暇について打診をしに、アザトースが居座る“絶対の玉間”へと向かっていた。
　ソトースが備える能力は“雷”であり、移動速度に於いて彼を超えるものは、今生誰ひとりとして居ない。
　瞬間移動もわけがなく、玉間への距離はまだ在るが、能力を使えば一瞬で辿り着く事が出来る。
　しかし、攻撃時と緊急時以外でソレを使う事は滅多に無く、今のような何でもない状況に使用する事など愚の骨頂だとソトースは考えている。
　それを踏まえて、今も悠々と廊下を歩いているソトースであったが、その途中で立ち止まり、正面へと向いたまま独り出に声を挙げた。
「……ついて来いと云った憶えは無いが」
　それは、自身の背後からする気配へ向けたものだった。
「ついて来るなとも云われてはいないが？」
　ありふれたような皮肉を云いながら、通路の陰に潜んでいたバロールが顔を出す。
「詰まらん問答をするつもりはない。俺に用が在るなら先刻伝えればよかっただろう」
「ウォータースが居た手前…な。御前が云っていたヴルトゥーム達の事だ。今調べ上げて気になった事が在るんだよ」
「……何か解ったのか」
「ヴルトゥームが仲間にしている奴等……どうやら、オリオン大星雲に幽閉されていた刑囚らしいぜ」
「……！ ……そうか。あのフタリか」

　バロールが突き止めたヴルトゥームの協力者。
　ソトースは心当たりがあるのか、ある二体の邪神を思い浮かべる。
「それだけじゃあない。<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>の生き残りも居るって話だ」
「……成程。一筋縄ではいかなそうだな」
　“シェデンの果実”の行方を追うヴルトゥーム。
　彼の“願い”が一体何なのかは知るところではないが、武闘派の実力者を数体集めてまで叶えたい願い……余程良からぬ事なのだろうと、ソトースは思う。
　とは云え、彼等がどれだけ手練だとして、もしアブホースと相対したとしても、やはりアブホースが後れを取る筈は無いだろう。
　聡明で実力があるアブホースを高く評価しているソトースであったが、バロールが次に放った言葉に、いよいよ警戒すべきだと身構える事となる。
「そして、一番気になる事が…………“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”の存在だ」
「！！！！」

　“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”――――。
　曾て、“絶対神”が気紛れで<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>み出した十三体の邪神。
　その他の神格達と較べ、個々の実力は計り知れず、圧倒的な能力を用いて戦場を蹂躙してきた存在。
　ヨグ＝ソトースもその<ruby><rb>一体</rb><rt>ひとり</rt></ruby>だが、他の<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>も勿論曲者揃い。
　能力的に戦闘向きでない者も居るが、その存在自体が充分脅威なのである。
「<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>の<ruby><rb>一体</rb><rt>ひとり</rt></ruby>が奴等に協力しているとなると……かなり厄介だぜ？」
「誰だ……。まさか、<ruby><rb>ザー</rb><rt>・・</rt></ruby>や<ruby><rb>アポロゲヌス</rb><rt>・・・・・・</rt></ruby>では在るまいな」
「其処迄は解らん……コレは飽く迄、噂だからな」
「…………」
「だが、一応、アザトースサマには伝えた方がイイかもなァ…？ まぁ、アノ方が気に掛ける事は無いだろうが」
「……ああ。念の為、進言しておく。この忠告、受け取っておこう」
　そう言うと、ソトースは“絶対の玉間”への道を再び歩き始めた。
　しかし、バロールは又も引き止める。
「待てよ 兄弟」
「…………」
「血が…騒がねェか…？ 久々に、奴等の中の誰かと遭えるんだぜ？ なァオイ……」
　バロールは呼び醒まそうとしている。
　ソトースの裡に眠る、血に塗れた戦いの記憶を。
　今は暫くもう味わえなかった、自分と全力でぶつかり合ってくれた、あの頃のソトースを。
「……下らん」
　バロールの言葉に少し思うところはあったものの、その問い掛けを一蹴し、ソトースは歩を進める。
「……淋しいなァ…ソトース……」
　そう呟いた後、バロールは独りでに笑い始める。
　ソトースは既にその場に居らず、その声が聞こえる事は無いが、バロールは只、只笑い続ける。
　曾て共に死闘を繰り広げたソトースにもう遭う事が出来ない。
　自分自身が云った、その淋しさを紛らわす為に――――。


――――――――――――――――――――――――――――　
　

　刻は再び進み、惑星ヌガッキワー――――。

　自身の操る兵士に吹っ飛ばされた暴漢達の様子を確認する為、港へと戻ってきたアブホース。
「確か、この辺りですね……」
　周りに人は全く居ないが、先程の暴漢達は此処に間違いなく居る筈だと、気配を辿るアブホースだったが、何やら不穏な空気を感じ取った。
　ふと、地面を見てみると、其処には……。

（……血痕……？）

　やはり、不穏な空気に間違いは無かった。
　何かが起きている。
　アブホースがそう思った瞬間、微かな衝撃音が聞こえた。
　咄嗟にその場で身を隠すアブホース。
　衝撃音が聞こえた方をそっと見遣ると、其処には、血に塗れ横たわる暴漢達と、鎧武者が一体居るのが確認出来た。
　横たわる暴漢達は既に死んでいるようだった。
　生き残っている一人の男は、鎧武者に首を掴まれ、今にも殺されそうな雰囲気だ。
　アブホースは彼等の会話に耳を傾ける。
「一体、誰が、いつ、あの人間を襲えと命令した？」
「も…申し訳ございません……！」
「もういい。これだから、人間は無能だから<ruby><rb>使役</rb><rt>つか</rt></ruby>うなと云ったんだ……ヴルトゥームめ」
　そう言うと、鎧武者はその尖った腕で暴漢の心臓を突き破った。
　そして、死んで横たわる男達を全員海へと落とした。
　その惨たらしい光景を目にしても、アブホースは冷静に状況を見直した。
　どうやら、あの中性的な人間を襲った暴漢を使役していたのは、この鎧武者。
　――いや、彼自身の言葉から推測するに、正確に云えば、この鎧武者と協力関係にあるヴルトゥームという存在が使役していたのだろう。
　一体？ 何の為に……？

「フン……あの人間が、“シェデンの果実”の秘密を抱えているとは思えんがな……」
「成程、合点が往きました」
「！！」
　アブホースは、鎧武者の前に、その隠れていた姿を現した。
　彼等の狙いが、自分が回収を命じられている“シェデンの果実”だと言うのなら、この鎧武者を討ち倒して、果実の場所を訊き出す方が早いと判断したのだ。
「貴方が彼等の云っていた、ガンダッハ……ですね？ そして、外見から察するに……<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>の方だとお見受け致します」
「貴様……。アブホースか」
「私の名が知れ渡っているとは光栄ですね」
「フン……<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の存在を知らん方が可笑しかろう」　
　鎧武者…ガンダッハは、アブホースの登場に当然驚くが、すぐさま平常心を取り戻し、会話を難なく続ける。
「貴方には訊きたい事が山程在ります。貴方の協力者の事。貴方達が狙う果実の事。貴方達が襲った人間の事。力尽くでも」
「……私も、オマエが何故此処に居るのか気になるが……そんな事は最早どうでもいい。同じ星、同じ場所に……<ruby><rb>鍵が二つ</rb><rt>・・・・</rt></ruby>も揃うとはな」
「……？ どういう意味です……？」

　ドゴォ

「…！？」
　アブホースが問い掛けた瞬間、ガンダッハが詰め寄り、壁際まで一気に抑え叩きつけられた。

（早い……！）

「貴様が居れば、あの人間に用は無い。おとなしく私に倒されろ」
　ガンダッハの言う事が今のところ何一つ理解が出来なかったが、アブホースもアブホースとて、おとなしく倒されるつもりは毛頭無い。
「……良いでしょう。何故だかは解りませんが、貴方は私を生け捕りにする<ruby><rb>算段</rb><rt>つも</rt></ruby>りでしょうが、私にはそのような縛りは無い。私は……貴方を<ruby><rb>魄殺<rb><rt>ころ</rt></ruby>しますよ」
「……！！」
　アブホースから放たれる殺気にたじろぐガンダッハだが、上等だ、と更に壁に押し込む。
　この次の手で勝敗は決まるだろうというその時、あらぬ方向から意外な攻撃がガンダッハ目掛けて放たれる。
「な……？！」
「……！？」
　その攻撃を受けたガンダッハはその場に崩れ落ちる。
　ガンダッハの手から離れたアブホースはすぐさま距離を置き、ガンダッハを見遣る。
　よく見ると、ガンダッハの腹辺り、側面を横切って孔が開いている。
　突如起きた事態に困惑するアブホースだったが、何より驚いた事は、その攻撃力。
　ガンダッハは<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>であり、纏う鎧は並大抵の攻撃では傷一つ付かない程硬い。
　その鎧を貫く程の攻撃、自身に当たっていたのなら只では済まなかっただろうと、アブホースは少しばかり戦慄する。
「馬鹿な……！！ 一体、何が……！！」
「あれは……」
　アブホースは、その攻撃の正体を瞬間見ていた。

（高圧水流……！）

　何処からか放たれた高圧水流に襲われたガンダッハは、すぐさまに立ち上がり、その行方を探す。
「何処だ！！ 出て来い！！」
　当然、返事は無い。
「チィッ…！ ならば、この一帯を…！！」
　力を溜め、この辺り一帯を滅茶苦茶にしようとガンダッハは構える。
「……！ 待ちなさい！！」
　アブホースの声も届かず、ガンダッハが、攻撃を放とうとした瞬間、何者かがガンダッハの肩を掴んだ。

「やめなさい、ガンダッハ」
「「！！」」
 　アブホースとガンダッハは、突如現れた声に困惑する。
 　その声の主を見て、少し落ち着きを取り戻したガンダッハは手を止める。
「いい子ね……おイタはダメよ？」
「……何の積もりだ。フルール……！」
　フルール。
　曾て、ヴルトゥームと行動を共にしていた妖艶な美女。
　ガンダッハはヴルトゥームの協力者であり、となると、このフルールとガンダッハも又仲間同士である事が窺える。
「何のつもりはコッチの科白よ……。何が在ったかは見ていたけど、もし今のでアブホースを巻き込んで殺してしまったら、後々面倒臭い事になるわ。<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>を敵に回す事になるし、貴重な<ruby><rb>鍵</rb><rt>・</rt></ruby>を一つ失う事にもなるのよ」
「……チッ」
　突如乱入したフルールに諭され、戦意を削がれたガンダッハ。
　しかし、そのフルールの言葉に一層闘志を燃やすアブホース。
「残念ですが、あの程度の攻撃で、私を殺せるとでもお思いですか…？」
「何ィ…！？」
「あら、これは御免なさい？ 気を悪くしないで……カワイコちゃん♪」
　フルールの飄々として掴み所の無い口調に、遂にはアブホースまでも戦意を失う。
　そして、何より、この女と関わるのは出来る事なら止めておきたい――――。
　フルールから発せられる気味の悪さに、アブホースは警戒心を覚える。
「とにかく、<ruby><rb>アブホースの方は</rb><rt>・・・・・・・・</rt></ruby>最終手段。一旦退くわよ、ガンダッハ」
「……仕方が在るまい」
「逃がすとでも……」
　この得体の知れない女に極力触れたくはないが、アブホースとしては、流石に此処まできておいそれと逃がす訳にはいくまいと、フルールらに一撃喰らわせようと動く。
　しかし、時既に遅く、フルールは次元の孔を空に創り出し、その身を孔の中へと乗り出した。
「又遭いましょうね……アブホースちゃん？」
　フルールはそう言い残し、ガンダッハを連れ、次元の孔の向こう側へと消えていった。
　
　訳の解らないまま敵と闘い、訳の解らないまま敵に逃げられたアブホースだったが、ガンダッハが不意に言っていた事、そして、フルールが吐き捨てていった“又遭おう”という言葉からして、彼女の言う通り、彼女らとは近々又も遭う事になるだろうという確信を持つ。
　ガンダッハが口にした“シェデンの果実”というワード。
　それは、アブホースが今、正に探している最中の代物の事だった。
　偶然にしては出来過ぎている。
　――――思えば、あのフタリが言っていた事には気になる節が在った。

『同じ星、同じ場所に……<ruby><rb>鍵が二つ</rb><rt>・・・・</rt></ruby>も揃うとはな』
『<ruby><rb>アブホースの方は</rb><rt>・・・・・・・・</rt></ruby>最終手段』

　<ruby><rb>鍵</rb><rt>・</rt></ruby>とは何の事か。
　<ruby><rb>最終手段</rb><rt>・・・・</rt></ruby>とはどういう意味か。
　口ぶりから察するに、アブホースが“シェデンの果実”に関する秘密の鍵を握っているという事なのか。
　勿論、アブホース自身がその答えを知る由は無い。
　だが、アブホースは冷静に事を見返し、ある仮説を導き出した。

　――――<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>は、初めからこの事を知っていて、私に命を下したのでは――？

　アブホースに“シェデンの果実”の回収を命じた<ruby><rb>絶対神</rb><rt>アザトース</rt></ruby>。
　やはり、偶然だとしても、不可解な事が多かった。
　すべて、<ruby><rb>絶対神</rb><rt>アザトース</rt></ruby>の手の上で起きている事なのか。
　アブホースのきめ細かな皮膚に鳥肌が立つ。

　それにしても、もう一つ気になる事は在った。
　ガンダッハは、鍵が二つ在ると言った。
　一つの鍵がアブホースだとするのなら、もう一方の鍵とは何なのか。
　その事を考えている内、アブホースは自身に近付く気配を感じ取る。
「やぁ。大丈夫だった？」
「……！　貴方は……先程の」
　アブホースがガンダッハと交戦するキッカケとなった一人の人間。
　その人間が一部始終を見て、アブホースに声を掛けてきた。
「君、強いんだね！ 見てたよ。街でウチを助けてくれたのも君でしょ？」
　街で自分を襲った暴漢達を打ちのめした兵士は、アブホースが操っていたものだとこの人間は勘付いていたのだ。
「……先程の水流は貴方が…？」
「うん！ これを使ったんだ！」
「……？」
　人間が手にしていたのは……パチンコ。
「これがウチの愛用武器だよ！ 弾は自分で作るんだけどね」
　そういうと、自分の指の先に、丸く圧縮された水の塊を作り出した。
「成程……確かに、先程のは助かりましたよ。有難う御座います。」
「うへへ……。こちらこそ、あの時助けてくれてありがとう！」
　その綺麗な顔立ちから放たれる屈託のない笑顔に、アブホースは無意識に惹かれる。
「ウチの名前はアズル！」
「アブホースと申します」
「アブホース！ 宜しくね！」
　アブホースはこの時点で察していた。
　恐らく、もう一つの鍵というのは、このアズルという人間の事だろうと。
　ガンダッハが使役していた暴漢達がアズルを狙っていたというのも合点が往く。
「……貴方から、少し訊きたい事が在るのですが」
「何だい？」
「先程の連中の事、解ればで良いので」
「アイツらの事か……いいよ。でも、此処で立ち話するのもなんだし……そうだ！ 良かったら、ウチが今夜泊まる所に一緒に来ない？」
「え……？」
　アブホースは困惑する。
　距離の詰め方がおかし過ぎる。
　いくら助けてもらったとはいえ、今日遭ったばかりの他者を一宿に誘うのか。
　アズルは悪い者ではない事は確かなのだが……。
「ウチ、あの温泉の“ロイヤルスペシャルエキシビシャル特選極閃温泉”コースを予約しているんだ！ 一緒にどう？」
　アズルは、件の霊木の方を指差した。
　この言葉を聞き、アブホースのこれまでの考えは一瞬で取り払われた。
　もはや断る理由は無い。
　だが、一つ問題が在るとすれば……。
「しかし、私は……女性ではありませんよ」
　アブホースはその美しい顔立ちからして誤解されがちだが、女性ではない。
　というより、<ruby><rb>どちらでもない</rb><rt>・・・・・・・</rt></ruby>。
　そう。
　アブホースには性別という概念がないのだ。
　とはいえ、どちらの性別に関しても必要な<ruby><rb>モノ</rb><rt>・・</rt></ruby>はカラダに備えてはいるのだが……。
　普通ならば、それをアズルは拒否する筈だろう。
　しかし、アズルもアズルとて、普通ではなかった。
「ふふっ♪ 解るよ！ アブホースも、ウチと<ruby><rb>同類</rb><rt>・・</rt></ruby>でしょ？」
「……！？」
　言葉の通り、アズルもアブホースと同類だった。
　中性的な顔立ち、とはよく言ったものである。
　正に、“中性”其の物なのだ。
「とにかく、行こうよ！ アブホース！」
「え、えぇ……」
　アズルは強引に、アブホースの手を引く。
　海の向こうに見える夕焼けをバックに、フタリは温泉を目当てに歩き出す。

　――――アブホースとアズル。
　この似ても似つかぬフタリには確かに共通点が在った。
　それこそが……このフタリが<ruby><rb>鍵</rb><rt>・</rt></ruby>と呼ばれる所以。

　この奇妙な出逢いこそが、壮絶な戦いが始まる合図だとは、アブホースは未だ知らない。

 ]]>
		</content:encoded>
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		<dc:date>2020-06-16T23:31:27+09:00</dc:date>
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		<title>二章 - 壱</title>

		<description>
　超神星ゾスから約半日掛かる距離、周…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
　超神星ゾスから約半日掛かる距離、周りに浮かぶ無彩色な衛星と比べ、一際美しく輝くエメラルド色の惑星が在る。
　それこそが惑星ヌガッキワー。
　アブホースは、惑星ヌガッキワーの名所である温泉歓楽街に接する貿易港付近に降り立った。
「此処がヌガッキワー……。そしてアレが……」
　アブホースが目をやる方、歓楽街の向こう側には、数百メートル程の大きさを誇る霊木がそびえ立っている。
　惑星ヌガッキワーは自然が発達している星で、元々はその巨大な霊木を星のシンボルとして住民から崇められていた。
　その霊木を改造して温泉旅館を造り上げた訳である。

　港を抜け、歓楽街へと着いたアブホースは、件の名物温泉が在るシンボルの霊木の方へと向かった。
　名所と取り上げるだけあって、道中は賑やかで様々な出店が連なっている。
　色々と街も散策したいところだが、今話題の観光地だという理由もあり、温泉を利用する客も勿論多く、旅館の利用予約に関しても必然として競争率が高い。
　そうなると、まず最初に予約の受付を済ます事が優先だろうとアブホースは考える。
　アブホースが狙うは、霊木の頂上に造られた広大な露天風呂を貸切で利用出来る“ロイヤルスペシャルエキシビシャル特選極閃温泉”コースである。
　その口にするのも恥ずかしい名前のコースを利用するには、当然、大金が必要である。
　アブホースは真面目な性格上、常に貯金を積み上げ続けているので、温泉利用の為に必要な大金など、アブホースにとっては痛くも痒くも無い出費だ。
　金に糸目をつけない様な極楽を心底求める者のみが利用する為、滅多にそのコースが選ばれる事は無いが、それでもやはり油断は出来ない。
　足早に街を抜け、尚周りに人集りがある巨大な霊木の前へ辿り着いたアブホースは、樹の根元に備え付けられた扉を開けた。

「ようこそ、おいでくださいました」

　入口の横に一人佇む着物の女性は、アブホースへお迎えの言葉を向けた。
　女性へ会釈し、アブホースは広く開けた内部を見渡す。
　霊木の中は刳り貫かれ、温泉旅館のロビーとして機能していた。
　煌びやかな装飾、その中にも、旅館特有の凛として厳かな雰囲気が漂っている。
　暫し見蕩れるアブホースだったが、目的を忘れるなかれと、すぐにロビーの受付へと足を進めた。

「ようこそ、おいでくださいました」
　受付嬢は先程の入口に居た女性と同じ文言でアブホースを迎える。
「済みません。……“ロイヤルスペシャルエキシビシャル特選極閃温泉”コースを利用したいのですが……」
「“特選コース”ですね？」
　少し言うのも躊躇う程恥ずかしいコース名を読み上げてしまったアブホースは、そんな略称で通じるのかと、何とも言えない悔しさを覚えた。
「……申し訳ございません。特選コースは本日既にご予約がなされておりますね」
「そう……ですか……」
　顔には出さぬが、受付嬢の答えにアブホースは肩を落とす。
　残念ではあるが、此処まで来たからには仕方が無しと、他の高級コースを利用して帰る事にした。
「そのコースでしたら空いておりますので、ご案内出来ます！」
「では、それでお願い致します。」
「……失礼ですが、保護者の方は……？」
　受付嬢は、アブホースの事を子供だと思っている。
　背も低く童顔で、若々しい肌を身に付けるアブホースを目にして、その対応は必然とも言える。
「申し訳ございませんが、保護者無しでの利用は……」
「…………貴方は……私を子供だとお思いですか…………？」
「ヒィッ！？」
　アブホースが怒るのも無理はない。
　その容姿に似付かわしくない威圧感を放つアブホースに、受付嬢は恐怖する。
「し、失礼致しました！ 予約の方は進めさせて頂きますので！！」
「……お願い致します」

　受付を済ませたアブホースは、夜になるまでの時間を潰す為、歓楽街の出店を巡る事にした。
「少し小腹が空きましたね……。喉も渇きましたし、どれか買って休みましょう」
　そう言って、アブホースは散策を始める。
　どの店も賑やかで客に取り囲まれていて、商品を一つを買うにしても一苦労だ。
　一頻り歩いて回ったが、目当てのものは見付からない。
「オレンジジュース……何処ですか……」
　周りの店のメニューは殆ど酒。
　酒は好まず、オレンジジュースを愛飲するアブホースにとってこの状況は苦しかった。
　そこで、アブホースはある奇妙な店を見付けた。
「……“なンでも屋”……？」
　古ぼけた雑貨屋の様だが、その店周りには客が誰も居ない。
　まぁ、この雰囲気なら、誰も寄り付かないだろう――――。
　そう思い通り過ぎようとしたアブホースに、突然店主が語り掛けてきた。
「ヘイ。いらっしゃい。ドーゾ」
　明らかに人間ではない容貌。
　細長い顔の中央辺りに上下左右位置がズレた眼、頭には触覚がピヨンと生えている。
　宇宙人を見慣れているアブホースも、その奇妙な容貌をした店主に少したじろぐ。
「よう、お嬢ちゃん……ってか、お坊ちゃんか…？　何か探し物かい？」
「私は子供でも無いし、男性でも女性でもありませんよ」
「性別不明かい。悪い悪い。それを引いても美人だねェ……。よし、何かサービスしよう」
「結構ですよ。飲食も取り扱っていないでしょう」
「馬鹿を云うなよ……こちとら“なンでも屋”だぜ？ 必要なモンを云ってみな」
「……オレンジジュース」
「オレンジジュースゥ……？　……あるよ！」
「！？」
　何処ぞのマスターが言いそうなフレーズをかまし、店主は店の奥に向けて注文を出した。
「テンちゃん！　オレンジジュース一丁！」
「ハイや！」
　奥から少女の声が聞こえる。
「一体……貴方は？」
「オレは“宇宙<ruby><rb>商人</rb><rt>あきんど</rt></ruby>”ケムールだ。以後ご贔屓に」
　店主のケムールは名乗ると、名刺を取り出し、アブホースに差し出した。
「宇宙中を回って商売してんのよ。アルバイトのこの娘と一緒にな」
　ケムールがそう言うと、奥からオレンジジュースを持った人間の少女が来た。
「こんにちは！　ご注文でェ～～す」
「本当に……オレンジジュースですね」
「云っただろう？ “なンでも屋”って」
「恐れ入りました……。しかし、怪しいモノは入っていませんよね……？」
「媚薬…とかッスかァ？」
「捨てます」
「ちょちょちょちょ！！ ウソウソ！！」
　いきなり冗談をかましてきた少女は、アブホースの冷徹な対応にかなり慌てる。
　ケムールは、フタリの遣り取りを横で笑っている。

「アタシは、<ruby><rb>天梅雨</rb><rt>あみゅう</rt></ruby>・リサコ・リンレン！ “テンツユ”って呼ばれているッス！」
「私はアブホースと申します」
　アブホースは、先程遭ったばかりの二人に特に警戒心は覚えず、今回の休暇の<ruby><rb>経緯</rb><rt>いきさつ</rt></ruby>を話すまで打ち解けていた。
「あの温泉かい。オレも入ってみたいもんだがね」
「最上級のコース、入れなくて残念ッスね……」
「まぁ、贅沢は云えませんよ」

　むねぇ～にっ　つけぇ～てるっ　マァァ～～クはりゅ～うせぇ～～い♪

　突如として鳴り響いた音楽。
「あ、電話だ。テンちゃん、店番宜しく」
　そんな曲を着信音に設定するなよ――――。
　テンツユとアブホース、思う事は合致したが、お互いに口には出さなかった。
「おう、旦那。お世話になってます。　…………あぁ、また仕入れておきましたぜ？」
　どうやらお得意先からの電話の様だ。
　何気に繁盛している様で、アブホースは“なンでも屋”への評価を少し改めた。
　
　ドッガシャアアアアーーーーン
「キャーーーー！！！！」

　響く衝突音と婦女の悲鳴、どよめき。
　何事かと、その方向を見遣るアブホース。
　其処には、男性か女性かも解らない容姿をした人間と、それを取り囲む複数の暴漢が佇んでいた。
「喧嘩ッスかね…？！」
「いや、あれは……」
　それは喧嘩というよりは、暴漢達の方が一方的に絡んでいる様にしか見えなかった。
「なんなんだ、アンタ達は！！　突然、襲ってきて！！」
　中性的な容姿を持つ人間は、暴漢達に恐れはせず、啖呵を切り始めた。
「特徴に間違いはなさそうだな……」
「あぁ、コイツがヴルトゥーム様の云っていた……」
　
（ヴルトゥーム……？）

　アブホースは、暴漢達が口にした聞き憶えのあるその名前に反応こそしたが、それどころではなさそうな事態だと気付く。
「オイ、俺達と一緒に来い！」
「離せよ！！」
　件の人間は抵抗するも、無理矢理に連れて行かれそうになる。
　アブホースが出ていけば一瞬で解決出来る問題ではあるが、変に事を大きくしてしまえば後々面倒になるとアブホースは考える。
　どうすれば――――。
　葛藤するアブホースであったが、“なンでも屋”店内を見渡し直すと、あるモノが目に入った。
　コレだ――――！
「！？　アブホースさん？！」
「コレをお借りしますよ」
「そ、そんなんどうするんスか～～？！」

「抵抗すんじゃあねぇよ！！」
「おとなしくしろ！！」
「下手に出ていれば…！　よし…！」
　暴漢達に引っ張られる人間は何かを取り出そうとするが、その前に暴漢の一人が何者かにブッ飛ばされた。
「！？」
「な、何だァ～～？！ コイツは！！？？」
　急な事態に驚く中性的な人間と暴漢達。
　其処に割って入ったのは、何と甲冑を着た兵士だった。
「な…！？ が、ガンダッハ様のお仲間……？！」
「バカ！ よく見ろ！ 只の兵士だ！！」
　武器を取り、兵士へ襲い掛かる暴漢達だったが、健闘虚しく次々に殴り倒されていった。
「な、何だよオマエ……？！」
「…………」
　兵士はずっと無言のままだ。
「す、すかしやがって！！」
「あ、危ない！！」
　後ろから不意打ち気味に斧を振りかざした生き残りの暴漢。
　襲われていた人間が忠告の声を挙げるも、その斧は兵士の頭に突き刺さる。
「ざまぁみろ……！！　……！！！！？？」
　周りから悲鳴が挙がる中、続いたこの後の状況に、更に悲鳴が強くなる。
「ど、どういう事…？！」
　襲われていた人間もその光景に驚き、暴漢達に至っては恐怖し腰を抜かしている。
　斧は確かに兵士の頭に突き刺さり、頭の鎧は吹き飛ばされた。
　だが、何という事だろう。
　兵士には……首が無い。
　鎧毎吹き飛ばされた訳ではない。
　最初から、首が無い。
　極め付けは……首が無い状態でそのまま動き続けている。
「ひ、ヒィ……！？？！」
　恐怖する暴漢達だったが、首の無い兵士の渾身の一撃で、纏めて空の彼方へブッ飛ばされた。
「た、助けてくれて……ありがとう……？」
　この状況を打開してくれた兵士に困惑しながらも礼を告げる中性的な人間。
　しかし、礼を聞いた兵士は崩れ、その場には兵士が着ていた甲冑だけが残った。
　まるで、中に人など最初から居なかったかのように。
「……？！」

　その光景を遠目で見ていたアブホースとテンツユ。
「な…なんスか……アレ…！？」
「…………」
「成程、ソレがアンタの能力かい」
　いつの間にか電話を終えていたケムールは、一部始終を見て、それをアブホースの能力だと看破した。
「えぇ……私の能力は、あらゆる物質に魂を与える事です。」
　アブホースの司る能力は、モノに魂を与え操る事。
　つまり、今の状況で云えば、“なンでも屋”の商品であった甲冑に魂を与え、遠隔で操っていただけの事である。
　その気になれば、地面に魂を与え、地形を自由に変える事も出来る。
　アブホースが、<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の一角、参謀で居られる所以である。
「ウチの商品が……」
　壊れた甲冑を見て、テンツユは嘆く。
「済みません。弁償はしますので……」
「いや、大丈夫だ。良いものを見させてもらった。弁償なんて要らん」
「恐れ入ります」
　ひとまず、この場での事態は収束したが、又、いつ暴漢達が仕返しに来るか解らない。
　アブホースが操っていたもぬけの兵士が彼等を飛ばしていったのは貿易港がある方角だ。
「私は、今の男達の行方を追ってみます。色々と世話になりました」
「おう、又明日、帰る時にでも寄ってくれ」
「気を付けて下さいね～～？！」
　アブホースは、ケムールとテンツユへ会釈をし、港の方へ向かって往った。

「テンちゃん、あの甲冑、一応拾っておいて。リサイクル出来そうだし」
「ハイッス！！」
　テンツユへ指示を与えつつ、ケムールは先程の通話相手との会話は途中だったようで、もう一度掛け直す。
「……おう、途中で切っちまって申し訳無ェです。…………いや、本当に申し訳無ェですって……。…………えぇ、今、少し面白いモンを見ましてね……？ あのですね……<ruby><rb>勇雅の旦那</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>――――。」

 ]]>
		</content:encoded>
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		<dc:date>2020-06-16T23:00:37+09:00</dc:date>
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	<item rdf:about="https://yugami-s.novel.wox.cc/entry5.html">
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		<title>一章</title>

		<description>
　刻は、現代より数年少し遡る。

　…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
　刻は、現代より数年少し遡る。

　宇宙の果て、『<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>』と呼ばれる引く手数多の神格達が根城とする惑星が存在していた。
　超神星ゾス――――。
　直径としては地球よりも大分小さい星ではあるが、その中心には、日本の首都である東京中の人間を全員集めて宴会が出来るのではないかとも思う程に巨大な城がそびえ立っている。
　城の名を、『<ruby><rb>絶対聖霞城</rb><rt>アザグリザム・ローグノス</rt></ruby>』。
　その城内で、男にも女にも見える美麗な容姿の邪神が、艶やかな薄橙の髪を靡かせ無愛想な表情を保ちながら広く長い廊下を歩き回っていた。

「……一体、何処へ往ったのでしょうか」
　――――“万魂神”アブホース。
　それが、この神格の名前である。
　『<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>』終戦より数年経った頃、神々の頂点に立つ“絶対神”アザトースは、生き残りの邪神達を一部集結させ、ある軍団を組織した。
　それが『<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>』である。
　<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>は選り優りの戦闘要員で構成されているが、その中でも特に戦闘能力が高い十体（+α）の精鋭戦力を『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』と呼ぶ。
　<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の大半は、元は“<ruby><rb>聖創神</rb><rt>阿迦奢</rt></ruby>”側……つまり、セイバースに属していた者。
　その事から、『<ruby><rb>聖創</rb><rt>アカシック</rt></ruby>』という冠が付けられている。
　<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>で目覚しい活躍を残したヨグ＝ソトースも、今やその一角となっている。
　但し、中でも例外は居るのだが……。
「……少し喉が渇きましたね」
　そう言うと、城内に備えてある自販機の前に立ち止まり、最初から決めていたかのように間髪入れずにボタンを押し、好物のオレンジジュースを射出口から取り出した。
　アブホースは、<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の参謀役であり、聡明で冷静な面を買われ、主であるアザトースや他の神格達からの信頼も厚い。
　しかし、まとまりの無い軍の参謀を任せられるも苦労が絶えず、整った顔立ちの裏に疲労が見えている。
　つい先刻も、アザトースの勅命を受けたばかりで、今も誰かを捜しているようだ。
「美味しい……」
　無表情を保ったまま、冷えたオレンジジュースを飲み、渇いた喉を潤わせながらアブホースは独りごちる。

「よう　アブホース」
　アブホースは、背後からの声に振り返る。
　其処には、全身隈なく至る所に刀剣を携えた男が立っていた。
「ヌギル……」
　彼はヌギル・コーラス。
　彼も又、<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の一角であり、ヨグ＝ソトースと並び、<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>の最高戦力として数えられている強者だ。
「勇雅が何処に居るか知らねェか？」
「デザート……ですか？」
　デザート――――元の名は 鎖爆勇雅。
　つい数ヶ月前の事、“絶対神”アザトースにより、ある所で倒れていたところを拾われ、新たに<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の一角として入軍した男である。
　アブホースは、その男の目付役として、諸々の世話を任せられていた。
　デザートという名は、入軍した時に名付けられた字名だ。
　ヌギルのように元の名の方で呼ぶモノも居るが、皆その字名で呼んでいる。
「私も捜していたところです。貴方と一緒ではないかと思っていましたが」
「何だよ！　アブホースまで知らねェのか？！　何処に居んだよアイツ！！」
「ヌギルも、彼に何か用が…？」
「暇だから、一緒にゲームでもしようと思ってよ！」
「…………」
　ヌギルは、今、デザートとコンビを組んでいる。
　デザートが初めて此処に来た時こそ、<ruby><rb>二体</rb><rt>ふたり</rt></ruby>は壮絶な<ruby><rb>一対一</rb><rt>タイマン</rt></ruby>を繰り広げたのだが、今や彼等は親友の様に打ち解け合っており、ヌギルもデザートの事をいつも気に掛けるようになった。（度が過ぎている時も在るのだが……）
　ヌギルの答えに、とても下らない理由だと呆れながらも、アブホースは会話を続けた。
「他に、デザートが居そうな場所は……」
「あとは……ウォータースの所か？」
　成程、と、アブホースも腑に落ちる。
　<ruby><rb>絶対聖霞城</rb><rt>アザグリザム・ローグノス</rt></ruby>の内部には、小規模の研究施設が在る。
　その施設の管理を任せられているのが、ウォータック・ナズホルン・ウォータース。
　と言っても、研究員は彼<ruby><rb>一体</rb><rt>ひとり</rt></ruby>しか居ないのだが、逆を言えば、彼の持つ技術だけで成り立つという事でもある。
　ウォータースは気弱でおとなしい性格だが、地球の娯楽文化にも精通していて、地球の出身だと言っていたデザートとも仲が良く、よく漫画やアニメの話で盛り上がっている時が在る。
「確かに、居るとしたら、其処ですかね」
「往ってみるか」
　<ruby><rb>二体</rb><rt>ふたり</rt></ruby>は、その場所へと向かった。

――――――――――――――――

「デザートくん？ 居ないよ？」
　当ては外れたようだ。
　ウォータースの答えに対し、アブホースは相変わらず無表情を保っているが、ヌギルは<ruby><rb>明白</rb><rt>あからさま</rt></ruby>にガッカリしたような顔をしている。
「ふ、フタリしてどうしたの？ デザートくんに何か用だった？」
「えぇ……まぁ、そのようなところでしょうか」
「ご、御免ね……」
「イヤ、オメエが謝る必要は無ェんだけどよ……」
　一体何処へ往ったのやらと、アブホース達は悩み果てていたが、その絡み縺れた思考は直ぐに晴れた。

「デザートは他の星へ遠征しているぞ」
　聞こえた声の方には、長身で<ruby><rb>体躯</rb><rt>ガタイ</rt></ruby>が良く、それでいて、アブホース以上に冗談が通じなさそうな顔をしている強面の男が立っていた。
　そう、彼こそ……。
「……ソトース」
　<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>最強の男、“虚雷神”ヨグ＝ソトースである。
「先刻、奴に遭ってな。奴自身は休日の身だから、自由行動は許可したが」
「マジかよ？！ 何でオレに云わず～～！？」
　ヌギルは悔しそうに言う。
「そう云えば、デザートくんは最近、惑星サクトっていう星によく往っているね」
「確かに、色々な星の自然を開拓しに往っていると云っていましたね……」
　デザートは、自身の休日には様々な星を開拓しに往っていた。
　特に、惑星サクトという星は、無人で荒れ放題であった土地をデザートが耕し、今では、美しい草花や森緑が蔓延る、誰の目にも美しく見える星へと変わっていた。
　地球に居る頃から自然環境を一際大切に思っていたようで、彼は自室でもよく植物を育てている。
「アイツは意外と勤勉で真面目だよなァ～……」
「それなら仕方が在りませんが……」
「ヌギルくんはどうせゲームの話だとして、アブくんはデザートくんに何の用だったの？」
「どうせって何だコラァ！！！！」
　ヌギルのツッコミは流しつつ、アブホースは答えた。
「実は、<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>から直々に命を頂いていまして……出来るなら、デザートと共に赴けと」
「……その命とは何だ」
　ソトースが聞き返すと、アブホースは間を少し溜めて言い放った。

「…………【“シェデンの果実”を回収せよ】……と」

「「！！！！」」
「あ？ “シェデンの果実”？？」
　ヌギルは“ソレ”を知らないようだが、詳細を把握しているソトースとウォータースは、アブホースが言い放った“ソレ”の事に対して驚きを隠せなかった。
　少し落ち着きを取り戻したウォータースは、ヌギルに説明を始めた。
　“シェデンの果実”は、初代“聖創神”ルーピナスが遺した禁断の神器だという事。
　それを口にした者は、あらゆる願いを叶えられるという事を。

「成程な……しかし、話を聞く限り、その果実っ<ruby><rb>云</rb><rt>て</rt></ruby>ェのを手にするには<ruby><rb>条件</rb><rt>・・</rt></ruby>が在るんだろう？ 何でアザトースは、アブホースと勇雅に回収を命じたんだ？ 場所も解んねェんだしよ」
　ヌギルの割には的を射た発言だ――――。
　口には出さないが、アブホースはヌギルの言葉に同調し、自身も疑問を頭に浮かべた。
　<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>は何故、私とデザートに命を下したのか――――。
「それは確かにね……。アブくん達じゃあないとイケない何かが在るのかな……。」
「単に暇そうだったから頼んだんじゃあねェか？」
「……僕はツッコまないよ。ヌギルくん」
　ウォータースとヌギルが会話している横で、ソトースだけは何か考え事をしている。
「どうしました。ソトース」
「……何でもない」
　ソトースは何か言葉を詰まらせている様子だ。
　アブホースも気になり追求しようとしたが、それを遮るように怪し気な声が向こう側から聞こえてきた。

「皆さんお集まりで……。面白そうな話をしてんじゃあねェか……なァ？オイ」
「……！ ば、バロールくん……」
　突如現れた声の主に、ウォータースは怯える。
　“睛幻神”バロール。
　ソトースに次いで、<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>の中では実質のＮｏ．２に位置する男だ。
　彼が持つ能力から取って、通り名は、“魔眼のバロール”。（“邪眼のバロール”とも云われていたか……どちらも大して変わりはないと思うが……）
　戦場では宛ら、死神の様に大鎌を振るい、その特殊な眼を用いて相手に幻覚を視せて苦しませる戦術を好む。
　実力こそ本物だが、常に不敵な笑みを浮かべて、何を考えているのか解らない事から、全く信用の置けない不気味な奴として、ウォータースに限らず皆に恐れられている。
　正直、アブホースも彼の事をあまり好んでいない。
　バロールに警戒心を持たぬ者と言えば、彼の従者であるクロウ・クルワッハか、誰に対しても分け隔てないデザートくらいなものか。　
「バロール……テメエ、何の用だ！？」
「冷たいねェ……唐突に割って入ったのは謝るが、途中からでも仲間に入れてくれても良いじゃあないか？ なァ？“兄弟”」
「煩ェ！！ その呼び方ヤメロ！！ オレはテメエの兄弟じゃあねェ！！！！」
　喧嘩っ早いヌギルと絡ませると直ぐにこうなる。
　<ruby><rb>雰囲気だけ</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>は、この<ruby><rb>二体</rb><rt>ふたり</rt></ruby>は似ているところが在るのだが……。
　アブホースは思いつつ、バロールとヌギルの言い争い（？）を見て少し頭が痛くなる。

「あれ…？ アブくん、少し顔色が悪いけど大丈夫？」
「え……？」
　ウォータースは心配してアブホースに尋ねた。
　頭が痛いと思ったのは、バロールとヌギルの所為ではなく、どうやら物理的な面で本当に体調を崩していたようだ。
「オイオイ。大丈夫かよ？ ちゃんと寝てんのかオマエ？」
「アブくん、最近ずっと働き尽くめだからね…… 一度、ゆっくり休んだ方が良いよ？」
　ヌギルとウォータースは、アブホースの身を案じて言った。
　確かに、暫く数週間、休暇という休暇をとった記憶が無い。
「いえ…そういう訳には……。<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>からの命令も在りますし……」
「命令と云っても、今直ぐに往けとは云われていないだろう。それに、デザートも暫くは戻って来ない。その間、お前も少し休暇を取れ。<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>には俺から進言しておく」
「ソトースまで……」
　堅物のソトース迄もが、アブホースを案じて言っている。
　アブホースは、彼等の心遣いを無下には出来なかった。
「……皆さん、有難う御座います。ならば、折角なので……少しお休みを頂こうと思います」
「オウ！休め休め！ だったら、今から一緒にゲームだ！！」
「ヌギルくん……アブくんの事、本当に心配してるの？」
　休暇を貰うと言っても、結局何をしたら良いのか、アブホースも思い悩んでいた。
　デザートが戻るのを待つのも、せいぜい一日二日程度。
　それくらいの期間では遠い星に旅行も出来ない。
　いつも通り、自室で待機する事になるか。
　まぁ、元より旅行などした事も無いし、興味も無いが――――。

「それなら、温泉でも往ってきなよ！ 結構疲れがとれるって聞くよ！」
　――――温泉……！！
　アブホースは、ウォータースからの金言に感謝した。
　実を言うと、アブホースの趣味は“入浴”。
　<ruby><rb>絶対聖霞城</rb><rt>アザグリザム・ローグノス</rt></ruby>では、それぞれの自室に大体は浴槽が備えられているが、ある一角には大浴場が設備されている。
　その場所は結局殆ど誰も使用していないが、アブホースだけは、周りが寝静まった頃に隙を見て活用している。
　自室の浴槽も好きに使えて落ち着けるが、大浴場を独り占めし広く使うというのもオツで良い。
　それがアブホースの日課であり、安らぎであった。
　しかし、温泉というとやはり遠出となってしまう。
　いや、もしかしたら、彼処なら――――。
「ソレなら……“惑星ヌガッキワー”に往って来たらどうだァ？」
　バロールが言った惑星の名、それはまさに今、アブホースが思い浮かべていた場所だった。
「惑星ヌガッキワー！ 最近開拓された温泉の名地だね！」
　ウォータースが説明した通り、惑星ヌガッキワーは、ここ数年で目まぐるしい開拓成長を遂げている星で、特にその中でも、大規模な温泉街を名地として取り上げ、星総出で力を入れている。
　アブホースが現状求めている癒しは、この惑星ヌガッキワーに集結されているという事は明白だった。
　幸い、此処から距離も遠くない。
「ソイツァ、丁度良いじゃあねェか！ 近いんだし往って来いよ！」
「えぇ…それでは、お言葉に甘えて……」
　そう言うと、アブホースは一礼して、支度を整えに自室へと戻ろうとした。
「……待て。アブホース」
　ソトースの声がアブホースを引き止める。
「ハイ」
「…………いや、矢張り何でもない。ではな」
「……？ ハイ、失礼します」
　アブホースはもう一度一礼をして踵を返し、広い廊下を再び歩き出した。
　表情はやはり変わらぬままだが、興奮を抑え切れないのか早歩きをしている。
　それはアブホース自身も知らずして……。
「さて……結局、勇雅も出掛けているって解ったし……仕方無ェから、ルリム達を誘ってウォータースの部屋でゲームするか」
「えぇ！？僕の部屋でするの！？ 良いんだけどさ……」
「又、後で来るからな～」
　ヌギルも、他の者を誘いに戻ろうとその場を離れた。

　そして、此処には 堅物、小心者、性悪 の不思議な面子のみが残った。
　その現状に、ウォータースは居心地がとても悪かった。
　この<ruby><rb>三体</rb><rt>さんにん</rt></ruby>は旧知の仲ではあるが、ウォータースはともかく、ソトースとバロールはかなり悪い間柄だ。
　<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>時の彼等はそれぞれ“セイバース”の“カイザース”の准将同士で、大戦以前も出遭う度、常に敵対し合っていた者達。
　仲が良い筈なんてある訳がないし、現在同じ組織に居るというのが奇跡に近い。
　アザトース様は何故、この<ruby><rb>二体</rb><rt>ふたり</rt></ruby>を一緒に勧誘したんだろうか――――ウォータースはそれが不思議でならなかった。
　ウォータースは、今すぐに近くに在る自室の扉を開けて部屋に籠りたい気分だったが、それを差し引いても、気になっていた事が在った。
「そ、ソトースくん。そう云えば<ruby><rb>先刻</rb><rt>さっき</rt></ruby>、アブくんに何か云いかけていたよね…？」
　ソトースがアブホースに向けて言おうとした事。
　結局、当者に伝わる事はなかったが、それが一体何だったのか。
「……貴様等なら、話が解るか」
「何の事だァ？ アブホースが聞いたらマズイ話なのか？」
「そういう事でも無いが……。<ruby><rb>アザトース様</rb><rt>あの御方</rt></ruby>が、デザートはともかく、アブホースに命を下した理由について少し思い当たる事が在ってな。そして、その予測がもし正しければ……アブホースは気を張っておかなければならない可能性が在る」
「……！！ そ、ソトースくん、それって……！？」
　実の事、ソトースは“シェデンの果実”の内情を把握していた。
　そして、勿論、ソレを狙う者が居る事も……。
「ヴルトゥーム……貴様等も憶えているだろう」
「あぁ……居たな。そんなヤツも」
「確か、<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>の時に、<ruby><rb>リュウト</rb><rt>・・・・</rt></ruby>くんが取り逃がしたって云っていた……。……もしかして……」
「ああ。ヴルトゥームとその一派が再び動き始めたらしい」
「ほォう……？」

　ソトースが危惧している存在、“妬咲神”ヴルトゥーム。
　曾て、“シェデンの果実”を狙い暗躍していた優男だが、<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>でリュウトと呼ばれる戟使いと闘い敗北。
　その場から逃げ帰っていった以降、行方を眩ませていたが、どうやら活動を再開したとの報告が挙がっていたのだ。
「そうか……！ 彼等が動いているとなると、アブくん達と交戦する可能性も在る……！」
「だが、果たしてソレだけかァ？ 御前が危惧してんのはソコじゃあないだろう…？ ソトース」
　バロールは核心を突く。
「そうだ。アブホース達が、奴等に後れを取る筈も在るまい。俺が気に止めている事は、<ruby><rb>アブホースに果実の回収の命が下った理由</rb><rt>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・</rt></ruby>についてだ」
「「！！」」
　ソトースは、果実の謎の核心、その全容を話した。

「“シェデンの果実”を手にする<ruby><rb>条件</rb><rt>・・</rt></ruby>は――――」
　
　―――――――――――――――――――――

　一方、自室へと戻ったアブホースは身支度を整え、惑星ヌガッキワーへのルートを確認しつつ、逸る気持ちを抑え切れないのか、やはり早歩き気味に外へと出た。
「さて…では向かいましょうか」
　飛び立つアブホース。
　その美しい薄橙色の髪が、漆黒の宇宙の彼方へと溶けていった。
　
　だが、この時、アブホースは思いもしなかった。
　自身が、後に起こる戦いの渦中に身を置く事になるとは――――。 

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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-15T19:47:48+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://yugami-s.novel.wox.cc/entry4.html">
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		<title>二頁</title>

		<description>★“五煉界”とは？
『カイザース』の宇宙に…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-weight:bold;">★“五煉界”とは？</span>
『カイザース』の宇宙には、現世を含めて五つの世界が展開されています。
以下が階層順です。

・天界（俗に云う天国）　↑
・地界（俗に云う現世）　◎
・冥界　　　 　　　　　　　↓
・地獄　　　　　　　　　 ↓↓
・奈落　　　　　　　　　↓↓↓

“五煉界”とは、上記の五つの世界を総称した呼び方となります。
現世で死を迎えたモノ達は、生時の業の度合いにより、それぞれ他の四界へ葬られる感じです。
但し、後述する<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>とかもそうですが、死んでいなくても、元々冥界とか地獄に棲んでいた奴等とかも居ます。
あとは、例え死んだとしても、“奈落”以外に居れば蘇られる術とかも在ったりします。
勿論、制限は在りますが……。


<span style="font-weight:bold;">★“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”</span>
“絶対神”アザトースが宇宙創始以降、多種多様な神々を<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>み出した訳ですが、「その中でも特筆して強いヤツ等を<ruby><rb>創生</rb><rt>つく</rt></ruby>っておけば面白くなりそうじゃね？」って感じで<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>み出された十三体のヤバイ邪神達が“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”と呼ばれる存在です。
一応、彼等の特徴として、称号の通り、名前に「＝」が含まれています。
以下、肩書きと名簿、性別、本篇開始時点での生死状況です。
（ネタバレ回避の為、一部情報伏せ）

“獄龍神”ワームロード＝ラヴィヲン　　　（♂）……生存
“封鎖神”ウボ＝サスラ　　　　　　　　　　（♂）……死亡
“艶淫神”シュブ＝ニグラス　　　　　 　　（♀）……生存
“虚雷神”ヨグ＝ソトース　　　　　　 　　　（♂）……生存
“？？神”バロンネッド＝ルークゾール　（♂）……生存？
“擊刻神”ファウンド＝エラー　　　　　　 （♂）……死亡？
“光読神”グラシア＝クリア　　　　　　　　（♀）……死亡？
“星剣神”ギレエブ＝ミラ　　　　　　　　　（♂）……生存
“核爆神”ナス＝ホルタース　　　　　　　（♂）……生存
“臥毒神”ヴェノ＝ゼノム　　　　　　　　　（♂）……生存
“魔姦神”ウトゥルス＝フルエフル 　　　（♂）……生存？
“融災神”アフーム＝ザー　　　　 　　 　（♂）……生存
“邪陽神”クジト＝アポロゲヌス　 　    　　（♂）……生存


因みに、名前の呼び方は日本人と同じで「<ruby><rb>○○</rb><rt>苗字</rt></ruby>＝<ruby><rb>○○</rb><rt>名前</rt></ruby>」だと思って下さい。


<span style="font-weight:bold;">★“<ruby><rb>封體解放</rb><rt>ふうたいかいほう</rt></ruby>”</span>
本作品に登場する神格達の殆どは、自身に<ruby><rb>能力制限</rb><rt>リミッター</rt></ruby>を掛け、真の姿と力を封印しているんですが、その封印を解き、全力以上の状態となる事を“<ruby><rb>封體解放</rb><rt>ふうたいかいほう</rt></ruby>”と呼んでいます。
解放時は、解令とその能力の名称を叫ぶ事が条件で、封體解放をすると解放前の約四倍程の力を引き出せます。
要するに、神にしか与えられない特別な力ですが、中には会得していない奴等も居ます。
あと、人間や他の種族は基本的に使えません。

封體解放を極めると、更に九倍程の力を出せる“<ruby><rb>殺鎧鍠</rb><rt>オーバーキル</rt></ruby>”が会得出来ますが、それが扱えるのはほんのひと握りで、使用者は今迄で六体しか確認されていません。


…………え？ 何処かで似たような設定を見た……？

…………ハイ。正直に云いますと、某漫画から少し設定を貰ってしまいました。
パクリではない……と信じて下さい。
その漫画は、私の生涯の聖書なので……超リスペクトしているんで…………。
再アニメ化、楽しみにしています。


<span style="font-weight:bold;">★“<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>”</span>
冥界に棲まう、文字通り、鎧を纏ったような姿をしている戦闘好きの一族。
個々の戦力は凄まじいもので、上位者なら前述の“<ruby><rb>超神羅</rb><rt>イコーラー</rt></ruby>”とタメが張れる程の力を持っていたりします。
元々、冥界に棲んでいるだけで死んでいる訳ではないです。
あと、神の一族ではないのですが、一応、彼等を統べる長であるファフニールとかの一部は神格化しているので、ソイツ等だけは“<ruby><rb>封體解放</rb><rt>ふうたいかいほう</rt></ruby>”とかも扱えます。

余談ですが、彼等にとって、纏っている鎧は肌と同じです。
確り触覚はありますし、鎧は壊れる事は在っても脱げたりはしません。
中の人とかそういう概念は無いんです。
口も無いように見えますが、一応食事は摂れます。


<span style="font-weight:bold;">★“絶対神”</span>
絶対神“アザトース”……この作品上で、文字通り絶対不可欠な存在です。
ほぼ全ての元凶と云っても良いです。
今のところ、彼の情報に関しては詳しくは云えません。
ですが、主人公のアグモと、敵役である勇雅、そして、アザトースの存在というのは、この作品に於いてかなり重要になってきます。
この三つ巴の先に何が待ち受けているか……。
皆様も見守っていて下さい。

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		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-15T18:14:13+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
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		<title>一頁</title>

		<description>
★そもそも、『カイザース』って何やねん…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
<span style="font-weight:bold;">★そもそも、『カイザース』って何やねん？</span>
本作品は、原作者“<ruby><rb>惨藤 歪彌</rb><rt>サンドウ ユガミ</rt></ruby>”の脳内で展開されたオリジナルストーリー。
主人公“<ruby><rb>殺羅 絶望</rb><rt>アヤアミ アグモ</rt></ruby>”と好敵手“鎖爆 勇雅”を主軸とし、多くの神格や怪獣達との激闘を描いたバトル系ファンタジー作品だと考えて頂けると幸いです。
オリジナルキャラの他、神話系や某特撮作品等から名前を借りている場合も多々在りますが許してね♥
本当は漫画作品ですが、作者の画力がナメクジ未満のレベルなので、お話だけでもと現在創作中。
あわよくば、作画担当とかも募集していますよォ～～～～ん♪♪♪♪


<span style="font-weight:bold;">★“<ruby><rb>神界大戦</rb><rt>アーマゲルドラ</rt></ruby>”</span>
『カイザース』内の宇宙では、様々な神格達の存在が確認されています。
“絶対神”アザトースが宇宙を創始し、自ら独りだけでは退屈だという事で、其処から多くの邪神達が<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>み出されました。
しかし、勿論の事ですが、ソレ等の全員が全員、皆仲良く手を繋ごうというような平和な思想を持っているとは限らないので、自らに不都合な考えを持つ邪魔者を排除しようと、必然的に各所で争いが起こる訳です。
ソレが大規模になったものが“<ruby><rb>神界大戦</rb><rt>アーマゲルドラ</rt></ruby>”です。


<span style="font-weight:bold;">★“聖創神”と“邪潰神”</span>
神話系が好きな方はピンと来るかと思いますが、ソレで云うところの……
“聖創神”＝創造神、“邪潰神”＝破壊神
だと考えて頂いて大丈夫です。
只、気を付けて頂きたいのは、名称からして、必ずしも“聖創神”が善（聖）、“邪潰神”が悪（邪）という訳では無いです。

因みに、“聖創神”と“邪潰神”という肩書きは襲名制。
アザトースが宇宙を創始した頃、最初に<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>み出した存在が、初代聖創神“ルーピナス”と初代邪潰神“<ruby><rb>頤賦</rb><rt>イフ</rt></ruby>”です。
ソレ以降からも多くの神格達が<ruby><rb>創生</rb><rt>う</rt></ruby>まれましたが、頤賦は“<ruby><rb>第壱次神界大戦</rb><rt>ファースト・アーマゲルドラ</rt></ruby>”で戦死、ルーピナスは結婚をした事により引退し、それぞれ次の弐代目へ、そして、参代目、肆代目へとその肩書きは引き継がれていった訳ですね。
	

<span style="font-weight:bold;">★“セイバース”と“カイザース”</span>
“<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>”時、ある二つの軍が中心で敵対していました。
ソレが“セイバース”と“カイザース”です。
“セイバース”は、肆代目聖創神“阿迦奢”が率いる光の軍勢。
“カイザース”は、肆代目邪潰神“アバドン”が率いる闇の軍勢。
但し、“光”とか云っていますが、それは属性的な話で、決して正義の側という意味ではないです。
寧ろ、戦争が起こった時点でどちらも悪ですので……。

そして、聖創神と邪潰神を大将として率いるとか云っていますが、実質、二つの軍を率いていたのはその副将達です。
あと、<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>を引き起こしたのも本当はソイツ等。
阿迦奢とアバドンは、戦う以外に何も考えていないような只の畜生です。
詰まり、軍を率いる上で象徴的なものが必要だったので、利用されたというか持ち上げられただけ。
実際、大戦中は軍とか気にも留めずにずっと<ruby><rb>二体</rb><rt>ふたり</rt></ruby>で殴り合っていた感じです。

二つの軍は大戦終焉後、瞬く間に解散しましたが、幾百年・幾千年の時を経て、鎖爆勇雅は、その名と形式だけを取り入れ、新たに“カイザース”を結成する事になります。
それに対抗するべく、主人公であるアグモは出逢った仲間達と共に“セイバース”を結成。
それこそが、本篇の主軸となる訳です。

因みに、“カイザース”という単語は本作のタイトルにもなっていますが、ソレを選んだ理由は…………追々話す予定です。

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		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2020-05-15T18:01:44+09:00</dc:date>
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	<item rdf:about="https://yugami-s.novel.wox.cc/entry2.html">
		<link>https://yugami-s.novel.wox.cc/entry2.html</link>
		
				
		<title>序章</title>

		<description>
『第弐次神界大戦セカンド・アーマゲル…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
『<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>』―――――――――

　現代より遙か曾ての事、全宇宙を揺るがす神々による戦争が起こった。
　肆代目“聖創神”<ruby><rb>阿迦奢</rb><rt>あかしゃ</rt></ruby> 率いる光の軍勢『セイバース』。
　対するは、肆代目“邪潰神”アバドン 率いる闇の軍勢『カイザース』。
　この両軍の戦いの発端は、元より続いていた両軍大将同士のいざこざ、そして、副将同士が引き起こした怨恨の縺れによるものであった。
　それに加え、大戦中盤より、冥界の王、“冥瓏神”ハデス・アンデッタロが『<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>』を引き連れ、戦乱に便乗する形で参戦した所為もあり、三つ巴の戦いは更に熾烈を極め、多くの犠牲が出る結果となった。
　その戦いの最中の一幕、ある者達の会話が、今回の事件に深く関わっていくとは誰も知る由は無かった――――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「流石……だな。噂に聞いていたが……私がここまで追い詰められるか……」
「……いい加減に<ruby><rb>解放</rb><rt>・・</rt></ruby>をといたらどうだ。俺は今、お前に構っている場合じゃあない……ヴルトゥーム」
　ヴルトゥームと呼ばれる満身創痍の男と、巨大な方天戟のようなものを携えた男。
　どうやら決闘が行われていたが、今にも勝敗が決する状況のようだ。
　しかし、ヴルトゥームという優男は往生際が悪く、息も絶え絶えながら、苦い顔で会話を続けた。
「私には……果たすべき事がある……！　その為に、お前の力が必要なのだ……」
「なに……？」
「どうだ……私に協力してはくれないか？　誘いを受けるなら、この不毛な戦いはここで終わる……！！」　
「…………」
　その交渉の答えは、突如駆け付けてきた妖艶な美女の声に遮られた。
「ヴルトゥーム！　大変な事が起きたわよ……！」
「フルール……！　一体何だ……！？」
「ハデス・アンデッタロが……撃退された」
「な…！？」

　先述した第三勢力の長、冥界の暴君ハデス・アンデッタロの撃退の報。
　この事実は、此の場だけでなく、戦場全体の士気に影響を与える程の衝撃であった。
　ハデスは、対する軍の大将である阿迦奢とアバドンと肩を並べる程の実力を持つ邪神。
　生まれ持った強大な力を揮い、“五煉界”随一の戦闘集団『<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>』を筆頭とした猛者達がひしめく冥界を束ねていたのだ。
　その冥界のトップに立つ邪神の敗走により、三つ巴の戦いの均衡は大きく崩れた。
　当然ではあるが、<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>の軍は撤退を余儀なくされ、残る二つの軍もこの一報を聞き、戦場を散々引っ掻き回した邪魔者は居なくなったと、微かに残る気力を振り絞り、満身創痍の敵を殲滅すべしとそれぞれ躍起になる。
　愈々、この永く続いた戦争に終止符が打たれるのも時間の問題であった。

「ハデスが撤退…ソトース<ruby><rb>達</rb><rt>・</rt></ruby>がやったのか……？」
　ヴルトゥームを圧倒していた戟使いの男は呟く。
　ヨグ＝ソトースという者は、“セイバース”軍の准将であり、力の位は副将に次ぐ。
　つまりは“セイバース”の三番手にあたる実力者だ。
　大戦以前より、ソトースの強さを知らない者は居ない程で、この戟使いは、どの軍にも属してはいない中立の立場だが、ソトースとは以前より交友があった為、尚更、彼の実力をよく把握していた。
　“セイバース”と“カイザース”の大将同士と副将同士が相対していた筈となると、ハデスを倒した相手としてその名前が挙がるのは必然とも云える。
　そして、考えられるとしたら、あと<ruby><rb>もうヒトリ</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>居るのだが……。
「ソトースは確か<ruby><rb>アイツ</rb><rt>・・・</rt></ruby>と敵対して……。奴等が共闘っていうのも考え難いが……」
　今此処には居ない者達の事を言っても仕方が無いであろうとばかりに、戟使いの呟きは、ヴルトゥームの下に駆け付けた美女の声に再び遮られた。
「この戦争も直に終わるわ……。私達ももう撤退しましょう」
「……そうだな。もう此処に居ても意味は成さないか」
「……！　行くのか ヴルトゥーム」
「あぁ…この戦争に便乗し、計画の準備を整えておく手筈だったが結局叶わずだ……。だが、私は絶対に諦めないぞ……！ “シェデンの果実”を必ず手中に収めてやる……！！」
「！？」
　ヴルトゥームが放った言葉に戟使いは度肝を抜かれた。

　『シェデンの果実』――――初代“聖創神”ルーピナスが曾て創った禁断の神器の一つ。
　その果実を口にした者は、あらゆる願いを叶える事が出来ると云われているのだが、悪意ある者の手に渡る事を恐れ、ルーピナス自身が<ruby><rb>とある惑星</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>に封印したとされている。
「お前達、まさか……見つけたのか？！　あの禁断の果実を…！！」
「その通り。しかし……眠っている場所を割り当てられたのは良いが、それを手にするには<ruby><rb>二つの条件</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>があってな」
「条件…だと！？」
「先程も云ったが、その条件を満たすにはお前の力が必要なのだ……」
「……どういう事だ」
「……又、お前に遭いに来る。その時に良い返事を貰えるなら、全て話してやろう」
　ヴルトゥームがそう言い放つと同時に、彼の仲間のフルールという美女はその場から逃げる為の時空の孔を傍の空間に作り出した。
　そして、時空の孔に進みながら、ヴルトゥームは続けて言う。
「もし、この誘いに乗らないと云うのなら……お前のガールフレンド」
「……！！」
「名前は確か……“ミヤラ”だったな。彼女を代わりに――」
　言い終わる前に、戟使いは手に持つ巨大な戟を振り切り、ヴルトゥーム目掛けて斬撃を放つ。
　しかし、それは目標に届く事なく、フルールの出した光の盾によって弾かれた。
「ミヤラが……何だって？」
　彼の言葉には、尋常ではない怒りの念が含まれていた。
「ヴルトゥーム！ 余計な事を云うのはやめなさいよ！！」
「……あぁ、済まない。往こう」
「待て！！」
　戟使いが引き止めようとするも既に遅く、ヴルトゥームらは時空の孔へと消え入る寸前であった。

「又、遭おう。――――サバクリュウト――――」
　そう呼び、ヴルトゥームは去っていった。
　その横に居るフルールも、リュウトと呼ばれる者を複雑そうに睨み付けながら――――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

　暫くして、『<ruby><rb>第弐次神界大戦</rb><rt>セカンド・アーマゲルドラ</rt></ruby>』は終戦を迎えた。
　両軍の大将である阿迦奢とアバドンは共に戦死。（誰が斃したかは公になっていないが）
　数十年に渡り続いた激戦は、虚しい結末で幕を閉じたのであった。

　ヴルトゥームがこの時言い残していた“シェデンの果実”の行方と秘密。
　それが解き明かされるのは、数百年後の事……。
　その時の記録を今、此処に記す――――――。

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		<dc:date>2020-05-03T17:43:53+09:00</dc:date>
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	<item rdf:about="https://yugami-s.novel.wox.cc/entry1.html">
		<link>https://yugami-s.novel.wox.cc/entry1.html</link>
		
				
		<title>Main Characters</title>

		<description>
アブホース
　本外伝の主役。
　美麗…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
アブホース
　本外伝の主役。
　美麗な容姿に加え聡明で、『<ruby><rb>邪耀神軍</rb><rt>ディエティ</rt></ruby>』精鋭戦力『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』の参謀。
　あらゆる物質に魂を与える能力を持つ。
　性別は不明瞭。お風呂とオレンジジュースが好き。
　とある人間と出逢い、初代“聖創神”が遺した神器『シェデンの果実』の秘密に迫る。

アズル
　アブホースが出逢った、『シェデンの果実』に関する謎を秘める人間。
　この人物を巡り、壮絶な戦いが巻き起こる事となる。
　男にも女にも見える美麗な容姿で、性別は不明瞭。化粧が得意。

ヴルトゥーム
　アズルの身柄を狙い暗躍する優男。
　毒の花を操る能力を持ち、相手を徐々に苦しめる戦法を得意とする。
　『シェデンの果実』に拘っているようだが……？

フルール
　ヴルトゥームの仲間の謎の美女。性魔術を使う。
　彼女も『シェデンの果実』に拘り、何かを企んでいる。

ヨグ＝ソトース
　『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』最強の男。
　雷撃を使い、圧倒的な速力で相手を翻弄する。
　
バロール
　『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』の一員。通称“邪眼（魔眼）のバロール”
　幻術を得意とし、常に不敵な笑みを浮かべている怪しい男。

ヌギル・コーラス
　『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』の一員。ソトースと同等の力を持つと云われる実力者。
　『殲呪工・九怨剣』の一振り、“ダイヤモンドレイク”を所有する。

ガンダッハ
　ヴルトゥームの仲間で、戦闘民族『<ruby><rb>鎧甲冑ノ一族</rb><rt>ガルマ・カルマ</rt></ruby>』の生き残り。
　『シェデンの果実』には興味が無く、強者と闘う事を生き甲斐としている戦闘狂。

ミイヴルス
　ヴンヴロトと共にオリオン大星雲に幽閉されていた邪神。
　ヴルトゥームの手により解放され、彼の野望に付き添う。

ヴンヴロト
　ミイヴルスと共にオリオン大星雲に幽閉されていた邪神。
　ミイヴルスとタッグを組み、ヴルトゥームに協力している。



鎖爆 勇雅
　別称は「デザート」。
　ヌギルとコンビを組んでおり、新たに『<ruby><rb>聖創邪極神将</rb><rt>アカシック・ディエティ</rt></ruby>』の一員となった新米。
　アブホースは、彼の在り方について興味を抱いているようだが……？

<ruby><rb>殺羅　絶望</rb><rt>あやあみ　あぐも</rt></ruby>
　『カイザース』本編の主人公。
　本外伝には登場はしないが、のちにアブホースらと激闘を繰り広げる事となる。

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		<dc:date>2020-05-03T14:36:38+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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